マンションの適切な売値設定、値下げのタイミングについて

今回はマンションを売却するに当たって、最も重要なポイントの1つである「売値の設定」と、同じく非常に重要な「値下げのタイミング」について解説したいと思います。

元不動産会社営業マンとしては、売却の計画を三段階に分けて考えることを強くおすすめします。

  • 第一段階:売れたらいいなという「希望価格」
  • 第二段階:この金額であれば売れるであろうという「相場価格」
  • 第三段階:これ以上は下げれないという限界の「最低価格」

事前準備:まずは売却のスケジュールを最初に決めておこう

上記の3段階の価格設定を売り出す前に、スケジュールをキチンと決めておくことで、より効率の良い販売活動ができるようになります。

まず最初に考えなければならないのが、第三段階の「いつまでに売却しなければならないか」、というタイムリミットです。
例えば転勤が決まっており、半年後には必ず売却しておきたいというように、タイムリミットを決めてください。そして、このタイムリミットから逆算して、実際の売却価格のスケジュールを決めていきます。

大まかなイメージを書くと、

  • 第一段階:希望価格 3000万円 売り出し開始〜3ヶ月
  • 第二段階:相場価格 2750万円 売り出し3ヶ月目〜4ヶ月
  • 第三段階:最低価格 2500万円 売り出し4ヶ月目〜6ヶ月

このような感じで、売却のスケジュール(=値下げのタイミング)を考えておく、ということです。
これはとても大切なことなので、ぜひ覚えておいて下さい。

※注意:この売却スケジュールは必ずしも媒介契約している不動産業者に伝えておく必要はありません。
悪い不動産業者であれば、「この人はここまでなら値下げする考えがありますよ」と、購入希望者に入れ知恵する可能性があるからです。
あくまでも自分の中での売却スケジュールとして考えてください。

第一段階:希望価格の考え方

第一段階の希望価格と言うのは、あなたが「これくらいで売れたら嬉しいな」という価格で構いません。
住宅ローンの残債務に合わせてもいいですし、相場よりも少し高くで売れないかなという漠然とした理由でも構いません。

ただし、この第一段階の希望価格は少し長めに設定しておくようにしたいので、現実離れした金額はNGです。できれば査定価格の1割増しくらいまでが妥当な金額だと思います。

購入を希望している買主側も、仲介をお願いしている不動産業者から相場の価格は聞いているはずです。
その際、相場価格から1割程度は前後することも合わせて説明を受けていますので、例えば相場価格が2800万円であれば、上限を3000万円程度に設定している可能性は十分にあります。
上手くこのような巡り合わせでマンションを売却できれば、とても嬉しいですよね。

売りだし情報が浸透するまで少し時間がかかる

また、第一段階の価格は少し長めに設定しておきたいといいましたが、これには理由があります。
物件を売りにだしてから、その情報が市場に浸透するまでには、宣伝期間などを考えると最低でも1ヶ月ほどは見ておかなければなりません。
つまり問い合わせの連絡などが入るのは、ある程度時間が経ってからということになります。

ちなみに、売却開始から1ヶ月目などの早いタイミングで内覧を希望する買い手が現れた場合は、かなり購買意欲が強いと考えることができます。
この場合、相場よりも少しくらい金額が高くても、物件を気に入ってさえくれれば十分に購入してくれる可能性があります。

もしこのような時期に値下げをしてしまうと、「あれ? 値下げされているけど、あの物件ひょっとして人気ないのかな?」と思われてしまったり、「売り急いでいるようだから、値下げ交渉すればもっと下げてくれるかも!」というように、相手の有利なペースになってしまう可能性があるので気をつけましょう。

第二段階:相場価格の考え方

第二段階の相場価格というのは、基本的に業者が提案した査定価格に近い金額になります。
取引事例比較法で算出された価格ですので、一番売却できる可能性が高い金額だともいえます。

逆に、この金額まで値下げをしても問い合わせが全然ない場合は、どこかに問題があると考えられるでしょう。
契約している不動産業者に対して、どんな広告活動を行っているのか確認して下さい。もし不足だと思うなら、しっかりと活動するように念を押しましょう。

とはいえ、この価格で問い合わせがないからといって、焦って第三段階まで値下げをするのはNGです。
なぜなら一度下げてしまった価格はもう上げることはできないからです。

第三段階まで値下げをする前に、もう一度やれることは残っていないかを徹底的に確認してみましょう。
確認する内容としては、以下のようなものがあります。

今以上に露出を増やす方法は無いか?

どのような媒体に物件情報が掲載されているのかを独自に調べてみましょう。
規模が大きい不動産ポータルサイトなどに、ちゃんと物件情報が掲載されているのかなどを調べるとよいでしょう。
例)スーモ・ヤフー不動産・@nifty不動産・HOME’Sなど

不動産業者が納得ができるだけの動きをしてくれているか?

契約している不動産業者が、ちゃんと下記のような広告活動をしてくれているか確認しましょう。

  • 折込チラシや自社のホームページなどで納得できる販促活動をしてくれているか?
  • 物件情報を記載した図面は、買い手の興味を引ける内容になっているか?
  • オープンハウスなどを提案してくれたか?

契約している不動産業者の自社ホームページに記載しているだけでは、たいした問い合わせは入ってきません。
もっと広範囲に対して、広告活動を行っているかどうかをチェックしましょう。

もしかしたら広告活動が不十分なせいで、買い手側に情報が伝わっていないという可能性があります。

内覧に来てくれた購入希望者にしっかりアピールできているか?

売却できない原因は、すべて業者にあるわけではありません。
物件が売れない理由は、もしかしたらあなた自身にあるかもしれません。

  • 内覧時の態度が悪くないか?
  • 内覧にきたお客様に好印象を与えることができているか?
  • 内覧にきたお客様に他の売主以上のサービスを提供できているか?

という点をもう一度見直してみましょう。
慣れないことで苦手な人も多いかもしれませんが、内覧に来てくれる人に対しては、「お客様である」という認識で接することが大切です。

自分がマンションを購入する場合を想像してみて下さい。
わざわざ時間を作って内覧に行ったのに、売主の態度が悪かったら購入する意欲はなくなってしまいますよね。
そんなことがないように、内覧に来てくれた人には、好印象を残せるように意識しましょう。

例えば独自に過去のリフォーム箇所をまとめたチラシを作っておいて、それを内覧時に渡してあげたり、物件周辺のおすすめポイントなどをマップで作って渡すなどの工夫をすると好印象になります。

第三段階:最低価格の考え方

第三段階の価格は、これ以上価格を落としてしまうと住宅ローンの残債が払えないというような、最低限の価格になります。
この価格でも売れないのであれば、売却そのものを見直す必要があるかもしれません。

最低価格まで落とす時期の判断は、非常に難しいです。
価格を落としてすぐに買い手が付けばよいのですが、いつまでに売却しなければならないというタイムリミットがある場合は、価格交渉や住宅ローン審査などの期間も考慮しながら、タイミングを考えなければなりません。

マンションのような大きな買い物になると、諸手続だけでそれなりの時間が必要になりますので、不動産業者と相談した上で、タイムリミットを決めておきましょう。

万一この第三段階の価格まで落としても売れずに、タイムリミットが近づいてしまうようなことがあれば、最終手段として不動産業者による「買取」を検討するこも考えて下さい。


このページでは「売却スケジュールの話」や、「値下げのタイミング」について話をしましたが、次のページでは「値下げの交渉術」や、「値下げに向いている時期・向いていない時期」などを解説したいと思います。

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