不動産売買で両手仲介(両手取引)を狙う仲介業者に注意!

両手仲介を狙う仲介業者に注意

不動産業界の悪しき習慣のひとつに「両手仲介」というものがあります。これは物件の売主と買主、双方から手数料を取るケースを指します。

もともと不動産業者は、賃貸物件や売買物件の仲介をすることで、その手数料を受け取ります。この手数料のことを「仲介手数料」と呼びます。

例えば賃貸の場合であれば、入居者側から契約時に1ヶ月分程度の仲介手数料を受け取るのが一般的ですね。

しかし賃貸と違って、マンションなどの不動産を売却する場合には、物件の「売主」と「買主」の双方が仲介手数料を支払うシステムになっていて、この手数料の双方を、一社が独占して受け取ることを「両手仲介」と呼びます。

今回はこの「両手仲介」が、悪しき習慣と呼ばれる理由について詳しく解説します。

【目次】両手仲介の問題点について
  1. 両手仲介と片手仲介の違い
    1. 片手仲介の仕組み
    2. 両手仲介の仕組み
  2. 両手仲介の何が問題なのか?
    1. 例)4,000万円の物件を売却した場合
    2. 両手仲介は物件の囲い込みに注意
    3. 業者による売却価格の不正操作
    4. あまりにも買い手を早く見つけてきた場合も注意
  3. 両手仲介を防ぐにはどうすればよいのか?
    1. 大手不動産業者の両手率をチェック
    2. 信頼できる業者を探す方法
    3. 万一悪質な業者と契約してしまった場合
    4. 都心部に住んでいる人におすすめの不動産業者

両手仲介と片手仲介の違い

不動産業者による仲介には、先程挙げた「両手仲介」の他に、「片手仲介」と呼ばれる形式もあります。

読んで字のごとく、売主と買主の双方から仲介手数料を受け取ることを「両手仲介」といい、売主か買主のどちらか片方からだけ手数料を受け取ることを「片手仲介」といいます。

わかりやすく具体例で考えてみましょう。

片手仲介の例

片手仲介

売主であるあなたは、A不動産を通じてマンションの売却を依頼しました。このA不動産の広告を見たB不動産から、「うちのお客さんが売主さんのマンションを買いたいと言っています。」という問い合わせがあり、無事売買契約が成立しました。

この場合、A不動産は「売主」であるあなたから、一方でB不動産は物件を購入した「買主」から仲介手数料を受け取ります。

「売主」が払う手数料と、「買主」が払う手数料は、それぞれA不動産、B不動産が片方ずつ納める形になりますので、これを「片手仲介」と呼びます。

両手仲介の例

両手仲介

売主であるあなたは、A不動産を通じてマンションの売却を依頼しました。しばらくすると、A不動産が自力でマンションを購入したいという希望者を見つけてきました。

このケースで売買が成立した場合、A不動産は売主と買主の双方から仲介手数料を受け取ることができます。

つまり、A不動産は「売主」と「買主」をどちらも自分で見つけてきたので、双方の手数料を独占できるというわけです。これを「両手仲介」と呼びます。

両手仲介の何が問題なのか?

では、なぜ両手仲介が悪しき習慣と言われるのか? その具体的な説明に入りたいと思います。

まずは両手仲介と片手仲介を比べた場合に、どれほど利益に差がでるか計算してみましょう。

例)4,000万円の物件を売却した場合

ここでは4,000万円の中古分譲マンションを例に考えてみたいと思います。

4,000万円の物件であれば、かかる仲介手数料は「4,000万円×3%+6万円」となりますので、約126万円が一般的な相場となります。

この時注意が必要なのは、この126万円という手数料は、売主と買主が半分ずつ負担するのではなく、売主も買主もそれぞれ126万円ずつ支払う必要があるということです。

そのため、もしA不動産が自力で買主を見つけることができれば、126万円+126万円=252万円の仲介手数料を、まとめて受け取ることができるのです。

売却するマンションは同じ一つだけでも、片手仲介の場合は126万円だけなのに対し、両手仲介の場合はその倍の252万円もの収入がA不動産に入ってきます。

ここまで話せば両手仲介の何がダメなのかお解かりですね?

そうです。両手仲介を成立させて手数料をたくさん受け取るために、A不動産が不正行為を行う可能性があるのです。

その不正行為の代表ともいえるのが「物件の囲い込み」です。

両手仲介の問題点「物件の囲い込み」

物件の囲い込みというのは、他の業者にお客さんを取られないよう、意図的に売買情報を隠したり、十分な宣伝活動をしないことを言います。

先程のケースで言えば、B不動産などから購入希望の問い合わせがあっても、「すみません。その物件はすでに交渉中なので紹介はできません」などとウソをついて、断ってしまうことがあります。

この囲い込みをされてしまうと、A不動産が自力で買主を見つけてくるまでは売買が成立しないので、売却するまでに非常に時間がかかる恐れがあります。

しかも、両手仲介の弊害はこれだけではありません。

ある意味、物件の囲い込みよりも売主に大きなダメージを与えてしまうのが、「業者による売却価格の不正操作」です。

両手仲介の問題点「業者による売却価格の不正操作」

売却を頼んだA不動産が、他社経由で売ることになる前に、少しでも早く自社経由で売ろうとして、相場よりも安く売ってしまおうと画策する恐れがあります。

例えば、売主が4,000万円での売却を希望していても、A不動産が見つけてきた購入希望者が、3,500万円までしか予算を出せなかったとします。

この時、良心的な不動産業者なら別の購入希望者を探すために動きますが、両手仲介を狙う不動産業者はさっさと売ってしまおうと売主を急かします。

「現在3,500万円で購入を希望しているお客様がいます。このお客様を逃してしまうと、またしばらく購入希望者が現れない可能性が高いので、3,500万円で売却するのが賢い選択ですよ!」

などと言って、売主にとって不利な契約を勧めてくるのです。

さらに最悪のケースだと、実はB不動産のお客さんの中には4,000万円で購入してもよいと言っている人がいるのに、どうしても両手仲介の手数料が欲しいからと、自社が探してきた3,500万円のお客さんを優先させる可能性すらあります。

もしこのことに気づかずに売ってしまったら、500万円も損をすることになってしまいますね。

そんな不動産業者が本当にあるの? と思うかもしれませんが、実際に不動産業者で働いていた管理人から言わせてもらえば、このようなことは不動産業界では日常的に行われていることです。

マンション売却の依頼を受けた不動産会社が、両手仲介を狙うために、最初の1ヶ月間は他社の紹介をまったく受け付けない…、などというケースが本当にたくさんあります。

これは売主にとって非常に大きなマイナスなので、ぜひ覚えておいてください。

もし不動産業者に売却を依頼したにも関わらず、なかなか購入希望者が現れない(問い合わせすらない)場合は、その不動産業者が意図的に情報を隠している可能性があるので、「今どんな広告活動をしているのか?」を詳しく問い詰めてみましょう。

あまりにも早く見つけてきた場合も注意

また逆に、あまりにも早く購入希望者を見つけてきた場合で、「相手の希望額がこちらの希望額より低い場合」にも注意が必要です。

この場合、金額がこちらの希望額に届いていないのですから、焦らずにもう少し探してもよいはずですよね。しかし両手仲介を狙う不動産業者の場合は、あれこれと理由をつけて、早めの決断を迫ってくる可能性があるからです。

早く買い手が見つかるのはもちろん良いことですが、だからといって安く買いたたかれてしまっては損をするので、売買契約を強引に迫ってくる業者がいたら要注意です。

このような悪質なケースが日常化している証拠として、今では不動産の専任媒介契約を締結した場合、5日または7日以内に不動産流通機関(レインズ)に物件の登録をしなければならないという規則ができています。

※登録までの日数は媒介契約の種類によって変わります。詳しくは一般媒介と専任媒介の違いは?のページをご覧ください。

両手仲介を防ぐにはどうすればよいのか?

このように売主にとってデメリットの多い両手仲介ですが、残念ながら日本では法律違反ではないため、今のところ完全に防ぐ方法はありません。

ですから、「業者がどんな広告活動を行っているのか?」を、売主自身が常にチェックしておく必要があります。

また、各不動産業者が、会社全体としてどのような取引を行っているかも、目安としてチェックしておきましょう。

大手不動産業者の両手率まとめ

下記のデータは、大手不動産業者の「両手率」について、「公益財団 法人不動産流通促進センター」が公表している不動産流通データ(2015年~2017年まで)をもとに、当サイトが独自に作成した一覧表です。

会社名 片手件数 両手件数 片手率 両手率
三井不動産リアルティネットワーク 24,516 89,079 22% 78%
京急不動産 372 1,252 23% 77%
ナイス 891 2,279 28% 72%
ポラスグループ中央住宅 2,281 4,741 32% 68%
近鉄不動産 3,922 7,050 36% 64%
東宝ハウスグループ 3,755 5,539 40% 60%
相鉄不動産販売 712 1,025 41% 59%
大京グループ 9,026 11,053 45% 55%
センチュリー21グループ 38,033 38,934 49% 51%
大成有楽不動産販売グループ 6,215 6,293 50% 50%
住友林業ホームサービス 6,078 6,049 50% 50%
スターツグループ 3,886 3,704 51% 49%
住友不動産販売 59,187 46,876 56% 44%
京王不動産 1,120 979 53% 44%
東急リバブル 37,417 27,368 58% 42%
小田急不動産 2152 1,422 60% 40%
朝日住宅 1,767 1,106 61% 39%
三井住友トラスト不動産 13,918 7,455 65% 35%
日本住宅流通 5,140 2,503 67% 33%
三菱UFJ不動産販売 12,189 5,184 70% 30%
長谷工リアルエステート 3,285 1,349 71% 29%
みずほ不動産販売 8,887 3,367 73% 27%
野村不動産グループ 49,511 15,274 76% 24%
東京建物不動産販売 2,225 536 81% 19%
日本土地建物販売 1,354 288 82% 18%

※「みずほ信不動産販売」は、2015年7月に「みずほ不動産販売」へ社名変更されました

※「THR住宅流通グループ」は、2016年6月に「東宝ハウスグループ」へ社名変更されました

あくまでも参考データとなりますが、「両手率」の数値が高い業者ほど、両手仲介を行っている比率が多いということになるので、一つの目安として覚えておくとよいと思います。

もちろん、大手の業者であればあるほど、売り手・買い手ともに多数の顧客リストを持っているので、中小規模の業者に比べれば、両手率が高くなるのは当然と言えます。

とはいえ、明らかに両手率が高いのも不自然だと思いますので、仲介業者を選ぶ時の一つの参考にはなると思います。

信頼できる業者を探す方法は?

信頼できる仲介業者を探す確実な方法というのは、残念ながらありません。同じ業者であっても、担当する営業マンによって良し悪しが左右されてしまうからです。

ただ、少しでも悪質な業者に当たる確率を下げたければ、インターネットの一括査定サイトを活用するのがおすすめです。

大手の一括査定サイトでは、悪質な業者が登録されていないか定期的にチェックをしているので、見知らぬ業者に直接連絡をするよりも安心感があります。

また、一括査定サイト経由で申し込んだ段階で、業者側は「この売主は色々な業者を調べている人だ」と判断するので、心理的に両手仲介がしにくくなります。

万一、契約した不動産業者に不信感があった場合も、一括査定サイト側に相談することができるので、いざという時も心強いでしょう。

万一悪質な業者と契約してしまった場合は

売却を依頼してから1ヶ月以上経つのに、不動産業者から何の連絡もないような場合には、どんな広告活動を行っているのかを確認してみましょう。

もし言葉を濁すようなら、意図的に情報を確している可能性が考えられます。

万一今契約している業者が悪質だと感じたならば、早急にその業者との契約は解消して、別の業者に仲介を再依頼しましょう。

不動産業者との仲介契約は、双方合意の上なら即時解消できますし、仮にそれが難しくても、原則3ヶ月契約になっているので、更新をしなければそこで終了となります。

不信感を持ったまま大事なマンションの売却を進めてしまうと、あとで後悔することになるので、何か不満や疑問に感じることがあるなら、遠慮せず業者側へ問い合わせをすることが大事です。

そこでちゃんとした対応をしてくれない業者であれば、遠慮することなく契約を解消するべきだと思います。

【追記】都心部に住んでいる人はソニー不動産がおすすめ

都心部限定のサービスとなりますが、100%両手仲介を防げる新しいサービスが始まったので紹介します。

ソニーグループが運営する「ソニー不動産」というサービスですが、このソニー不動産は、「同一物件では片側だけしか仲介しない」というサービスになっているので、両手仲介の心配がまったくありません。

マンションの売却を仲介する際には、「売主側からしか手数料はもらわない」と明言しているのが最大の特徴です。これにより、両手仲介の心配がなくなるので、売主側にとっては明確なメリットになります。

まだ新しいサービスなので、対象地域が都心部(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)だけと限定されているのですが、両手仲介の可能性がない分、より高値でマンションが売れる可能性があるので、売主からするとメリットが大きいサービスですね。

一括査定サービスではなく、ソニー不動産が直接売却活動を行ってくれるので、何社も業者を比べるのが面倒という人にも向いています。

都心部に住んでいる人には一番おすすめできるサービスなので、ぜひ活用してみて下さい。

※余談ですが、アメリカなど海外では両手仲介自体が法律で禁止されていて、ほとんどがソニー不動産のような「片側だけの仲介」となっています。

これは考えてみれば当然のことで、両手仲介を認めてしまったら、圧倒的に仲介業者側が有利になってしまうので、おそらく今後日本でもソニー不動産のようなサービスが主流になってくると思います。

ただ今すぐ変わるというわけではないので、都心部以外に住んでいる方は、一括査定サービスなどを利用して複数の業者を比較し、できるだけ信頼できそうな業者を見つけましょう。

仲介業者探しにおすすめのサービスまとめ

ソニー不動産(1都3県在住の方)

ソニー不動産

ソニー不動産は、ソニーグループが運営する不動産サービスの一つです。一括査定とは違って、ソニー不動産自体が直接売却などの相談に乗ってくれます。

最大の特徴は、「同一物件では片側だけしか仲介しない」という点です。売主にとって不利な両手仲介が発生しないので、今非常に大きな注目を集めています。(両手仲介が発生すると、百万円単位で売り主が損をする可能性があります)

今のところ1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)でしか利用できないのがネックですが、この地域に住んでいる売主にはかなり大きなメリットがあります。

運営元もソニーグループということで安心感があるので、都心に住んでいるなら第一候補として使いたいサービスです。

公式サイトはこちら

マンション.navi

マンションナビ

マンション.naviは、その名の通りマンションの仲介に特化しているサイトで、業界内では老舗のサービスとしてかなり有名です。

運営歴が長いので、住友不動産販売、野村の仲介+、ピタットハウス、三井のリハウス、みずほ不動産販売など、大手の不動産業者と提携しているのはもちろんのこと、地元密着型の小さいな不動産業者にも強いのが特徴です。

戸建て、マンション、土地などをまとめて扱う大手サイトと比較すると、マンション.naviの方がより専門的なサービスになっているので、マンションを売るなら絶対外せないサイトですね。

またマンション.naviの場合、「売却」だけではなく、業者による「買取」の査定金額や、一時的に「賃貸」として貸したい場合の相談などもできます。

大手に比べると知名度は落ちますが、訳あり物件の売却や、マンションを貸すのか売るのかで悩んだ場合には、ぜひ利用したいサイトです。

公式サイトはこちら

HOME4U

HOME4U

「HOME4U」は、NTTデータが運営する国内最大級の不動産情報サイトです。不動産の一括査定サイトとしては最大手の一つで、今までの利用者数は約550万人以上と、豊富な実績を持っています。

東急リバブル、野村の仲介+、三菱UFJ不動産販売、三井住友トラスト不動産、阪急不動産、みずほ不動産販売、Century21など、大手の不動産業者はほとんどカバーしているので、これからマンションを売却したいと考えている人におすすめのサイトです。

もちろん、大手以外の地域密着型の不動産業者も多数参加していて、全国900社の業者の中から、最大6社にまとめて査定依頼ができます。

運営元もNTTデータという大企業で、過去の実績・経験も豊富なので、信頼性が高く安心して使えるサイトです。

公式サイトはこちら


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