賃貸でマンションを貸すのと売るのはどちらが得か?

賃貸経営とマンション売却

「相続で実家に住むことになった」
「転勤で引っ越すことになった」
「もっと広めのマンションへ住み替えしたい」

などといった理由で、これまで住んでいたマンションを手放すことになったとき、「売った方がいいのか?」 「賃貸として貸した方がいいのか?」で悩む人が多いと思います。

そこで今回は、マンションを賃貸として貸し出す場合のポイントを解説したいと思います。

マンションを売るか貸すかで迷った場合

いきなり結論から書きますが、もし明確なプランを持たずに、「とりあえず、しばらくの間は貸しておこうかな・・・」と安易に考えているのであれば、絶対に売却することをおすすめします。

理由はこの後詳しく説明しますが、賃貸として貸し出す場合には多くのデメリットがあります。

一般の方が想像する以上に、賃貸業はトラブルが多いので、とりあえずという考えでやるのはやめた方がよいでしょう。

もちろん、賃貸として貸し出すのが悪いことだというわけではありません。明確なプランや知識があれば、キチンと収益を上げることもできるので、安易な考えで賃貸を選ぶのはダメとうことです。

では、具体的なメリット・デメリットについて、詳しく解説していきましょう。

賃貸として貸す場合のメリット

まずは賃貸として貸し出した場合のメリットを考えてみましょう。毎月の家賃収入の他にも、住宅ローン金利などが経費として認められるというメリットがあります。

毎月賃料が不労所得として入ってくる

賃貸として貸し出すのですから、当然毎月決まった家賃が入ってくることになります。

株式取引などの投資の一環として不動産投資をする人もいるくらいですから、立派な副収入となり得る可能性があります。

分譲マンションだと賃貸マンションより高額な家賃で貸せる

分譲マンションは通常の賃貸専門の部屋よりも作りがしっかりしているため、同タイプの賃貸マンションと比べると高い家賃が設定できます。

特に最近では騒音問題を嫌う人が多いので、壁が厚い分譲マンションは人気が高いです。

また、自分の住まいを賃貸として貸し出す場合、最初から家賃収入目的で分譲マンションを買う人よりも有利です。

というのも、最初から家賃収入目的で買う場合には、「投資物件」という扱いになるため、住宅ローンよりも金利が高い投資ローンや事業ローンを使わなければならないからです。

そのため、金利が安い住宅ローンを活用しつつ、高い家賃を設定することができるので、月々の収益が黒字になる可能性が高くなります。

分譲マンションの賃料は相場の2割増

通常の賃貸用マンションと比べ、分譲マンションの家賃相場は2割増しくらい高くなるのが一般的です。付加価値がつく物件なら、さらに家賃を高額に設定することもできます。

  • 例)4LDKの分譲マンション
  • 例)ペット可の分譲マンション
  • 例)居住者専用の娯楽施設やスポーツジムがある

このようにペット可や4LDKの分譲マンションだと、家賃は賃貸マンションの3割〜5割増しでも借り手があります。

賃貸マンションの多くは3LDKまでで、4LDKという物件は数が少ないのです。そのため4LDKという付加価値がつき、高額は家賃でも設定できるようになります。

家賃の違いのイメージ
種類 家賃相場
賃貸マンション 家賃100,000円
分譲賃貸マンション 家賃120,000円
希少分譲賃貸マンション 家賃140,000円

住宅ローン金利や固定資産税などが経費として認められる

これまで普通に支払うだけだった住宅ローン金利や、毎年の固定資産税が、経費として認められるようになります。

それだけでなく、マンションの管理費や修繕積立金、改修工事費などもすべて経費として計上することができるので、所得から控除することができます。

賃貸として貸す場合のデメリット

では次に、賃貸として貸す場合のデメリットを解説します。

上記のメリットを見ると、賃貸として貸し出すことに大きな魅力を感じる人もいると思います。しかし、メリットと同じか、それ以上にデメリットがあることも忘れてはいけません。

初期投資費用が掛かる

賃貸物件として貸し出す際には、当然内装などを綺麗にしないといけませんので、初期投資する費用がかかります。壁紙の張替えやハウスクリーニングだけでも、30万円〜50万円の出費を覚悟しなければなりません。

これは最低限の出費であり、毎回入居者が入れ替わるたびに負担しなければならない費用です。

空室のリスク

賃貸である限り、空室の期間が発生するリスクが常にともないます。相続で手にした物件であれば、多少空室期間があっても問題ありませんが、ご自身が購入したマンションの場合はそうはいきません。

もしまだ住宅ローンの支払いが残っている場合には、新しく住む家の分と合わせて、2つの住宅ローンを同時に支払うことになってしまうからです。

二重ローンの許可が下りないケースも

住宅ローン支払い中のマンションを賃貸として貸し出す場合、別のマンションを住宅ローンを使って購入することが難しくなります。

お金を貸す側の立場になれば、いくら片方は毎月の賃料で住宅ローンを支払うといっても、空室リスクがあるのでなかなかOKしてくれません。「現在の住宅ローンを完済してから再度ご相談ください」と言われてしまう可能性があるので注意しましょう。

売却するときに収益物件として見られる

賃貸中の物件を将来的に売りに出す場合、その物件は中古マンションではなく、不動産収益が発生している「収益物件」という扱いになります。すると購入する側も、自分たちが住むマンションとしてではなく、不動産投資用の物件という見方をすることが多いです。

こうなると、毎月の利回りなどを元に売却の査定額を算出されてしまいますので、一般のマンションを売却する場合の「取引事例比較法」よりも厳しい査定になる可能性があります。

つまり、「とりあえず部屋を貸しておいて、将来使わなかったら売ろう」、と考えている場合は、売却額が低くなってしまうので不利になるかもしれません。

賃貸トラブルの危険性

借り手が見つからず空室期間が長く続くことも賃貸トラブルのひとつですが、ここでいう賃貸トラブルとは、入居者との対人トラブルです。

私も元不動産会社の営業マンをしていましたので、家主さんの苦労は理解しているつもりです。「賃貸トラブルほど煩わしいものはない」と、多くの家主さんが声をそろえて言うほど、トラブルへの対応は大きな負担となります。

例えば、

  • トイレの水が詰まった、エアコンが壊れた
  • 隣の部屋の住人が夜中に騒いでうるさい
  • 上の階の子供が走りまわる足音がうるさいので注意して欲しい
  • 敷金を全額返金してもらいたい
  • 家賃を払ってくれない

このようなクレームの電話が、夜中はもちろん、盆正月関係なしにかかってきます。これらのトラブルに自力で対応するのは、素人にとってはかなり厳しいことだと思います。

一応、不動産会社を間に入れて管理をお願いすることもできますが、そうすると毎月の管理費を取られてしまいますので、今度は赤字になる可能性が高くなります。

この点は、マンションを貸し出す上でもっとも対応が難しい問題となります。

将来的なプランを考えた上で、それぞれの相場を比較しよう

今説明したように、マンションを貸し出すことには多くのデメリットがあります。事前にしっかりプランを立てていれば収益をあげることも可能ですが、安易な気持ちではじめてしまうと、収益どころか赤字になってしまう可能性が高いので注意しましょう。

ほとんどの人は、賃貸として貸し出す場合、将来的なプランは以下の3つのどれかになると思います。

  • 1.収益物件として貸し続ける
  • 2.いずれ売却する考えがある
  • 3.いずれまた住む考えがある

1番上の収益物件として貸し続けるのであれば、大きな問題はありません。しっかり入居者さえ確保できれば、副収入源として計算できます。

同じように、2番も「収益物件」として売りに出すことを想定しているなら問題ありません。住居用のマンション売却相場と比べると、安くなってしまうかもしれませんが、それを織り込んだ上で売るタイミングを考えておけば大丈夫だと思います。

さて、一番問題となるのは、3番の「将来的に自分がまた住む」という考え方です。

いつでも賃貸をやめられると考えるのは大間違い

多くの人がイメージするのは、「まずは賃貸として貸しておいて、いずれ自分がまた住みたいと思った時に、貸し出しをやめてマンションを取り戻す」、というプランです。

これが一番効率的な考えに思えますが、実はそう簡単にはいきません。なぜなら、現在の日本では、貸す側よりも借りている側の方が手厚く法律で守られてるからです。

部屋の持ち主がである自分が住むのだから、いまの借り手には「次の契約更新の際に出て行って欲しい」、と考えるのが当然だと思うかもしれませんが、法律的には通用しないのです。

もし借りている側が、「この部屋が気に入っているので出て行く気はありません」と言った場合、いくら部屋の持ち主であっても、強制的に今の借り手を追い出すことはできないからです。

もちろん家賃を滞納しているなど、正当な理由があれば契約を解除することは可能です。ただし、それでも正式な手続きを踏むと、退去してもらうまでに半年〜1年ほどかかります。

これは非常に重要なポイントなので、絶対に覚えておいて下さい。この点を知らずに3番目のプランを選んでしまうと、あとで後悔することになるからです。

3番目のプランを選ぶ場合は「定期借家」契約で

それでも、どうしてもすぐには売却できないので、一時的に賃貸で貸し出したい・・・という場合にはどうすればよいのでしょうか?

この場合には、通常の賃貸として貸すのではなく、期間を限定した賃貸契約を結ぶ、という方法があります。例えば、聞いたことがある人もいるかもしれませんが、「定期借家」という契約方法があります。

この定期借家契約とは、3年や5年、あるいは10年など、最初から契約の期間を定めておく賃貸契約のことです。契約期間が満了すると、自動的に契約は解除されるので、借り手側の都合で居座ることはできません。

したがって、通常の契約よりも借り手側が不利になるので、中には定期借家契約を敬遠する人もいます。この点はどうしようもないので、多少相場よりも賃料を安くしたり、契約更新の必要が無いことを上手く説明するなどして、借り手側にアピールしましょう。

少し専門的な話になるので、難しく感じた人もいるかもしれませんが、最低限これくらいの知識を備えた上で貸し出しをしないと、後で困ったことになる可能性が高いので、ぜひ覚えておいて下さい。

転勤で分譲マンションを貸出す場合

3番目のプランでよく相談を受けるのが、「転勤になってしまったため一時的に貸したい」という悩みです。転勤は基本的に期間を決められていることが多く、3年や5年で戻ってくる可能性が高いからです。

この場合もやはり賃貸として貸出すことを検討しているのであれば、通常の賃貸ではなく定期借家契約での賃貸がおすすめです。

しかし、定期借家の場合は条件付きの契約となるため、通常の賃貸物件よりも入居者確保が難しくなります。そうなると住宅ローン返済に影響がでるため、心配だという声もよく聞きます。

空室リスクを承知した上で定期借家として貸すか、それとも思い切って売却してしまうかの選択になりますが、最近はまた別の選択肢も増えてきているようです。

民泊用の部屋として貸し出すケースも

最近増えた選択肢とは、ニュースなどでもよく目にする「民泊」のことです。

民泊とは、自分の住まいをホテルやペンションのように提供することで、その利用者から宿泊費を受けとれるサービスのことです。

インターネットの仲介サイトがあり、そのサイトを通して民泊物件の募集をしたり、民泊の申込をします。一番有名なのは「Airbnb」というサービスです。

料金の支払いはサイト上で完了するので、部屋を貸したけどお金を払わずに逃げられた…、なんてこともありません。宿泊料金も部屋の貸主が自由に決めることができるので、自由度が高いという点で大きなメリットがあります。

また民泊を利用する人は、あくまでも短期の宿泊者なので、自分が転勤を終えて帰ってきた時に、「部屋を貸した人が出ていってくれないので住めない」などという問題も発生しません。

ただし、その分たくさんの人があなたの部屋を使うことになるので、部屋が通常よりも傷みやすかったり、中にはトラブルを起こす利用者いたりするリスクもあります。

そのため、どちらかというと専門知識がある人向けの選択肢となりますが、上手く運用できれば通常の家賃よりも高い収益を得ることもできるので、興味がある人は一度勉強してみてもよいと思います。

どちらか迷った場合は両方の相場を比較してみること

このように、賃貸として貸し出す場合には、色々な注意点があります。契約的な面もそうですが、対人トラブルなどで悩むケースがかなり多いので、本当に自分に向いているかどうかよく検討してみましょう。

また最後にもう一点、「そもそも金銭面ではお得なのかどうか?」 という大きな問題があります。

この点に関しては、本当にケースバイケースなので、どちらが正しいかを一概に答えることはできません。一番良いのは、実際に「売却する場合の相場」と、「賃貸として貸す場合の相場」を調べて比較することです。

これはなかなか面倒で手間がかかる作業なので、一昔前ならあまりやる人は多くなかったのですが、今はインターネットを使って簡単に比較できるサービスがあります。

用途に合わせておすすめのサービスを紹介するので、一度シミュレーションをしてみましょう。

まず、マンションを売却した場合にどのくらいの値段がつくのかを確認したい人は、一括査定サービスの「HOME4U」がおすすめです。

このHOME4Uは、NTTデータが運営する業界最大手の売却査定比較サービスです。

過去の査定実績も多く、運営元もNTTグループということで信頼できるので、売った場合にどのくらいの金額になるか確認したい場合は、このHOME4Uを使って相場を確認しましょう。

次に、やっぱり賃貸も検討してみたいと考えている人は、マンションの売却から賃貸までまとめて取り扱っている専門サイト、「マンション.navi」がおすすめです。

業界では老舗の人気サービスなので、知っている人も多いと思いますが、売却と賃貸で迷っているならば、マンション.naviを使うとすごく便利です。

というのも、マンション.naviの場合、一度の査定で、

  • マンションの売却
  • マンションの買取 (不動産業者による直接買取)
  • 賃貸としての貸し出し

という3つの査定をまとめて行えるからです。

3つすべてで査定が行えるということは、「売却に強い不動産業者」だけではなく、「賃貸に強い不動産業者」ともしっかり提携しているということなので、信頼度が高いです。

また、老舗のサービスということで、大手だけではなく中小の不動産業者も広くカバーしているので、他のサービスで見つからないような業者にも、査定を依頼できる場合があります。

売却メインで考えている人は「HOME4U」の方がおすすめですが、賃貸と売却で迷っている人は「マンション.navi」の方が適しているので、自分の希望に合わせてサービスを使い分けてみてください。

さらに、都心部に住んでいる人限定のサービスとなりますが、ソニーグループが運営する「ソニー不動産」という売却エージェントがあります。

このソニー不動産は、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県にしか対応していないのですが、その代わり、売り手に有利な条件でマンションの売却先を探してくれます。

都心部で売却先を探すのであれば、このソニー不動産で査定を取るのが一番おすすめなので、対応地域の人はチェックしてみて下さい。

これらのサービスはどれも無料で使えるので、時間に余裕があるのであれば、全部使ってどの選択が一番お得なのかを確認するのもいいと思います。

今回説明したように、賃貸で部屋を貸す場合には多くの苦労があります。

特に住居人とのトラブルは、金銭的にも精神的にもかなりの負担になってしまうので、一度「売却」も選択肢に入れた上で、何がベストな選択なのかを考えてみてください。

どちらを選ぶにしても、ある程度準備に時間がかかりますので、まずは相場価格を調べた上で、家族みんなで将来的なプランを決めていきましょう。

ソニー不動産(1都3県在住の方)

ソニー不動産は、ソニーグループが運営する不動産サービスの一つです。一括査定とは違って、ソニー不動産自体が直接売却などの相談に乗ってくれます。

最大の特徴は、「同一物件では片側だけしか仲介しない」という点です。売主にとって不利な両手仲介が発生しないので、今非常に大きな注目を集めています。(両手仲介が発生すると、百万円単位で売り主が損をする可能性があります)

今のところ1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)でしか利用できないのがネックですが、この地域に住んでいる売主にはかなり大きなメリットがあります。

運営元もソニーグループということで安心感があるので、都心に住んでいるなら第一候補として使いたいサービスです。

公式サイトはこちら

マンション.navi(「買取」「売却」の両対応)

マンション.naviは、その名の通りマンションの仲介に特化しているサイトで、業界内では老舗のサービスとしてかなり有名です。

運営歴が長いので、住友不動産販売、野村の仲介+、ピタットハウス、三井のリハウス、みずほ不動産販売など、大手の不動産業者と提携しているのはもちろんのこと、地元密着型の小さいな不動産業者にも強いのが特徴です。

戸建て、マンション、土地などをまとめて扱う大手サイトと比較すると、マンション.naviの方がより専門的なサービスになっているので、マンションを売るなら絶対外せないサイトですね。

またマンション.naviの場合、「売却」だけではなく、業者による「買取」の査定金額や、一時的に「賃貸」として貸したい場合の相談などもできます。

大手に比べると知名度は落ちますが、訳あり物件の売却や、マンションを貸すのか売るのかで悩んだ場合には、ぜひ利用したいサイトです。

公式サイトはこちら

HOME4U(「売却」を考えている方向け)

「HOME4U」は、NTTデータが運営する国内最大級の不動産情報サイトです。不動産の一括査定サイトとしては最大手の一つで、今までの利用者数は約550万人以上と、豊富な実績を持っています。

東急リバブル、野村の仲介+、三菱UFJ不動産販売、三井住友トラスト不動産、阪急不動産、みずほ不動産販売、Century21など、大手の不動産業者はほとんどカバーしているので、これからマンションを売却したいと考えている人におすすめのサイトです。

もちろん、大手以外の地域密着型の不動産業者も多数参加していて、全国900社の業者の中から、最大6社にまとめて査定依頼ができます。

運営元もNTTデータという大企業で、過去の実績・経験も豊富なので、信頼性が高く安心して使えるサイトです。

公式サイトはこちら


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