不動産業者による「マンション買取」は売るよりも損か得か?

業者買取とマンション売却


マンションの売却を考えている人なら知っていると思いますが、売る方法には一般的な「売却」と、業者による「買取」の2種類があります。

業者による買取は近年急激に増加していて、インターネットなどで調べると、不動産の買取を専門にした業者が多数ヒットします。

そこで今回は、この「買取」というシステムの特徴と、「売却」と比較した場合のメリット、デメリットを解説したいと思います。

「売却」と「買取」の違いは?

一般的なマンションの「売却」というのは、不動産業者に仲介を依頼し、ホームページや雑誌などを使って宣伝広告を行うことで、その物件に興味を持ってくれた第三者に対してマンションを売る、という流れです。

つまりこの場合、不動産業者の役割は「販売活動のサポート」であって、実際にマンションを購入してくれるのは、どこかにいる個人の方ということになります。

しかし「買取」の場合は、売りたいマンションを不動産業者や買取専門の業者が直接買い取ってくれます。

イメージとしては、今まで乗っていたクルマを、中古車ショップに売るようなものだと考えて下さい。

クルマを買い取った中古車ショップは、そのクルマを整備した上で、買い取った金額よりも高い値段で再販売します。まさにこれと同じ事をするのが、不動産業者による「買取」です。

あなたのマンションを買い取った業者は、数百万円の費用をかけてオール電化や間取り変更などのリフォームを行います。その上で、キチンと利益が出るように金額を上乗せして、また別の誰かに再販売するわけです。

例えば、あなたが2,000万円で売ったマンションを、300万円かけてリフォームし、最終的に2,500万〜3,000万円くらいで別の誰かに売る・・・というイメージです。

買取のメリット

では、買取を利用した場合の具体的なメリットを紹介します。一般的な「売却」に比べて、色々と有利な点があるので確認してください。

即買取が可能なので、数日で現金化できる

もし急いでマンションを売りたいのなら、業者に即買取をして欲しいと希望すれば、最短で数日後には現金化ができます。

いちいち購入希望者を探してくる必要がないので、価格面の折り合いさえつけば、すぐに売却が完了するからです。

また、買取の場合は基本的に現金買取となりますので、早ければ数日後にはマンションを売却したお金が手元に届きます。大体平均で3日〜1週間ほどで売買契約が成立すると思うので、急いでいる人には非常に大きなメリットです。

売却後の瑕疵担保責任が免除される

不動産業者の仲介で第三者にマンションを売却した場合、売主は「瑕疵担保」という責任を負わなければなりません。

この瑕疵担保責任とは、売却後であっても隠れた箇所(雨漏りや配管設備など)に不具合が発覚した場合、「一定の期間内はその修繕の義務は売主にある」というものです。

もしこの期間内に物件にトラブルが見つかった場合、最悪のケースだと、売主は修繕費として数百万円もの出費を強いられる可能性があります。

しかし、業者による買取の場合は瑕疵担保責任が免除されますので、万が一という心配がなくなります。

仲介手数料が無料になる場合がある

不動産業者の仲介でマンションを売却した場合には、手伝ってくれた不動産業者に対して、当然ですが手数料を支払わなければなりません。

この手数料は、例えば売却額が3,000万円であれば約100万円、2,000万円であれば約70万円程度となりますが、業者買取だと仲介ではありませんので、「仲介手数料」を支払う必要がなく、大きく出費を抑えることができます。

購入希望者の内覧を受ける必要がない

第三者にマンションを売却する場合には、購入者が決まるまで何組もの内覧希望者を迎えなければなりません。これには毎回の清掃の手間もありますし、内覧時は家にいなければならず、かなりの時間を拘束されます。

また自宅に見知らぬ他人をあげなければならず、人によっては精神的な負担がかなり大きいです。

その点、買取であれば不動産業者に一度部屋を見せればいいだけなので、内覧対応の手間はほとんどなくなります。

近隣や会社の同僚に知られることなく売却できる

マンションを売却する場合、当然ですが不動産業者のホームページや雑誌などに物件の情報が掲載されます。場合によっては、今住んでいる地域の折り込みチラシにも載るかもしれません。

こうなると、自宅の売却がご近所や会社の同僚に知られてしまう可能性が高くなります。

しかし買取であれば、ホームページや雑誌などに掲載されることはありませんので、誰にも知られずにマンションを売ることができます。

近隣や知人に知られることなくマンションを売りたいという悩みは実はかなり多いです。もしこの点で悩んでいるのであれば、業者買取がおすすめです。

スケジュールに合わせた売却ができる

例えば、「子供の夏休みに合わせて引越したい」など、売主側にもそれぞれ色々な都合があると思います。

しかし一般的な売却だと、いくらスケジュールを立てていても、その物件を買いたいという人が現れないことには売却の話しを進めることはできません。

これが業者買取であれば、自分のスケジュールや都合を最優先させることができます。特に今すぐ急ぎで売却ししたいという人に適しています。

住宅ローン残債務などを金融機関に交渉してくれる

マンションを売却しようとしても、住宅ローンの債務が残ってしまう場合、銀行が任意売却に応じてくれない場合があります。このような時は、買取を行う不動産業者があなたに代わり金融機関と交渉をしてくれます。

また業者買取だと任意売却の相談にも乗ってくれるので、住宅ローンの滞納で競売にかけられそうという場合も、競売されるよりは不動産業者に買取してもらうほうが絶対に得だと思います。

売却のためのリフォーム費用などを使わずに済む

どんな物件であっても、売却する場合には壁紙の張り替え、畳の入れ替え、専門業者によるハウスクリーニングなどの費用が必ずかかります。さらに大掛かりなリフォームが必要になれば、数百万単位の費用がかかってしまうことも。

しかし業者買取であればリフォームはもちろん、壁紙や畳の交換も不要です。それらの費用分まで考えた上での買取価格なので、買取後に業者がすべて自社負担でやってくれます。

物件を現状のままで引渡しできるのは、売主にしてみればかなり大きなメリットだと思います。

買取のデメリット

ここまでは買取のメリットを紹介してきましたが、もちろんデメリットもあります。デメリットの数は少なく、大きなデメリットと言えるのはたった1つだけですが、この1つが非常に大きな問題となります。

売値が一般的な売却に比べて低くなる

買取のたった1つの大きなデメリットとは、ズバリ「マンションの売値が安くなる」ということです。

このデメリットが大きいために、一般的には買取よりも売却を選ぶ人が多くなっています。

では、「どれくらい安くなってしまうのか?」というのが気になると思いますが、これは業者によって違いがありますので、一概には言えません。ただし、一般的な感覚としては、「通常の売却価格の65%〜80%程度」だといわれています。

つまり、売却であれば3,000万円の値段がつくマンションの場合、買取価格は1,950万円〜2,400万円程度になってしまうということです。

先程説明した買取のメリットと比較して、この大きなデメリットが許容できるかどうか?それを冷静に考える必要がありますね。

業者買取に適している物件は?

買取のメリット、デメリットを説明しましたが、基本的には「売却」で売れるなら「売却」を選んだ方がいいと思います。マンションを売る時の最大の目的は、「できる限り高く売ること」ですから、時間に余裕がある人は、「買取」よりも「売却」の方が有利です。

しかし一方で、「買取じゃないとなかなか買い手が見つからない」、というケースもあります。このような場合は割り切って買取を選んだ方がいいと思うので、それに該当するケースを紹介します。

築年数が古い物件

築年数が古いといっても、感じ方は人それぞれだと思いますが、一般的には「築30年を超えるマンション」であれば、買取を検討してもいいのかなと思います。

もちろん、築年数が30年を超えていてもキレイな中古マンションはたくさんあります。しかし、それはあくまでも目に見える表面的な部分の話で、壁の奥に隠れている部分の老朽化までは確認できていないのではないでしょうか?

例えば水道などの給水管や、トイレ・バスの排水管の寿命は、25年から30年だといわれています。もし売却後に配管などの欠陥が見つかった場合は、先程説明した瑕疵担保責任であなたに修繕の義務が発生します。

マンションの配管設備類は複雑なので、構造によっては修繕に数百万円以上かることも珍しくありません。これは非常に大きなリスクだと考えられます。

このようなリスクを避けるために、築年数が30年や35年を超えているマンションでは、売却よりも買取を選択する人が多くなっています。

過去に事件・事故があった部屋

ストレートな言い方で申し訳ありませんが、過去に自殺や火災などのトラブルがあった部屋は、なかなか買い手がみつからないと思います。また、例え見つかったとしても、相場よりかなり低い価格での取引となってしまうでしょう。

このような事件や事故物件の場合、不動産業者の仲介で購入希望者を探そうと思っても、事件や事故の説明などが上手くいかずに、時間だけが過ぎてしまうケースが多く見られます。

それであれば、多少金額は安くなってしまいますが、業者の買取を選んだ方が売主の負担も少なくて済むはずです。

物件の状態がかなり悪い

例えば、親からマンションを相続したけど、内装や設備品の状態がかなり悪く、そのままでは売ることも貸すこともできない……、そんな訳あり物件の場合には、業者の買取を利用した方がいいと思います。

もしこの物件を売ろうと思ったら、先に部屋の状態を回復させるためのリフォームが必要になります。しかし、リフォームに500万円かけたとしても、その500万円を売却価格にまるまる上乗せするのはまず不可能です。

リフォームしたとしても売れる保証はありませんし、お金以外にもたくさんの手間がかかります。このような状況であれば、素直に買取を利用した方がメリットは大きいと思います。

ちなみにこのような物件でも、不動産業者はちゃんと買取をしてくれます。なぜかというと、先程500万円かかるといったリフォーム費用が、業者の場合はもっと安い半額程度で行えるからです。

さらに業者は、売却相場価格よりも安い金額であなたから部屋を買えるので、最終的にリフォームをした上で再販売しても、十分に利益が見込めるからです。

ゴミ屋敷化しているマンション

最近急増しているのが、ゴミ屋敷化しているマンションの売買問題です。

相続してみて初めて、両親が住んでいたマンションがゴミ屋敷化していることに気づくというケースも珍しくありません。

私も不動産営業マンとして、これまで何回もゴミ屋敷化している物件の売買を依頼されたことがありますが、ゴミ屋敷化しているマンションの場合、単純にゴミを捨てればよいというものではありません。

なぜならゴミ屋敷化しているマンションの最大の問題点は、ゴミそのものではなく、ゴミの影響で腐ったりサビたりしてしまった部分の修繕だからです。

まだマンションの場合であれば、テレビで見るような家全体、庭一面にゴミが散乱しているような状態ではないですが、室内のゴミを撤去するのにトラックが横付けできないので、ゴミの搬出がかなりの重労働になります。

室内のゴミはすべて手作業でマンションの外まで運び出さなければなりませんし、臭いや衛生面の問題で、エレベーターが使えないこともあります。

さらに問題なのが、ゴミの下に隠れていたフローリングや壁の補修工事です。基本的にフローリングなどは腐っていますので、全面張り替えになることがほとんどです。

キッチンの下棚やお風呂の浴槽などもゴミで埋もれているケースが多いので、そうなるとシステムキッチンや浴槽ごと新品に交換しなければなりません。

最悪、ゴミの撤去費用と補修工事だけで500万円を超えることも珍しくなく、仮にこれだけの費用をかけても、ゴミ屋敷という噂が広まっていれば買い手が見つからないこともあります。

このようなケースでは、まずはゴミの撤去費用と補修工事の予想価格を試算し、それを業者買取価格と比較した上で、どうするか検討することになります。

補足:買取保証制度も検討してみよう

ここまで不動産業者による買取を説明してきましたが、実は似たようなもので「買取保証」という制度があります。

買取保証制度とは、簡単に言えば「売却」と「買取」の中間のような売買方法のことです。

まずは売りたいマンションを、業者に買い取ってもらった場合の査定額を試算してもらいます。そしてそのあと一定期間は、通常の売却として個人の買主を探してもらいますが、決めていた期限までに買い手がみつからない場合、最初に試算した査定額で業者に買い取ってもらうという制度です。

メリットとしては、業者買取よりも多少高値での買取が期待できる点です。もちろん期限内に買いたいという人が現れれば、市場相場価格で売却できるというメリットもあります。

ただし、すべての不動産会社で買取保証制度を利用できるわけではありません。売却にかなりの自信がある業者か、もしくは買取に力を入れている業者でなければこのような制度は扱っていないからです。

もし身近に買取保証制度を利用できる不動産業者がいなければ、インターネットの一括査定で探すのが便利です。一括査定時に、「買取保証がある不動産業者に査定をお願いします」と書いておけば、それに見合う業者に査定依頼をしてくれます。

まとめ

というわけで、「買取」と「売却」を比較した場合のメリット、デメリットを詳しく解説しました。特に問題がないのであれば、「売却」の方が有利だと思いますが、もし何らかの事情がある場合は、「買取」を上手に利用しましょう。

ちなみに、買取をしてもらう場合でも、依頼する業者によって買取金額は当然違ってきます。少しでも高く売るために、必ず1社ではなくて複数の業者から見積もりを取りましょう。

買取の場合は、なかなか一括で見積もりが取れるサービスがないのですが、こちらの「マンション.navi」であれば買取の見積もり比較ができます(売却にも対応)。業界では老舗に入るサービスなので、買取希望の人は必ず利用しておきましょう。

また、「買取と売却で迷っている」という人は、とりあえず両方のケースで売った場合の見積もりを取ってみましょう。実際にどの程度の差がでるかを確認しないと、どちらが有利なのか判断できないからです。

売却も検討しているという人は、先程のマンション.naviに加えて、NTTデータが運営する「HOME4U」を使うのがおすすめです。業界では最大手の一括見積もりサイトなので、売却で高値を狙う場合にはぜひ使いたいサイトです。

この2つのサイトを使ってそれぞれの見積価格を調べた上で、最終的にどちらがお得なのかを判断すれば、きっと満足がいく結果になると思います。

さらに、都心部に住んでいる人限定のサービスとなりますが、ソニーグループが運営する「ソニー不動産」という売却エージェントがあります。

このソニー不動産は、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県にしか対応していないのですが、その代わり、売り手に有利な条件でマンションの売却先を探してくれます。(普通の不動産業者と違い、両手仲介を絶対に行わないことが特長のサービスです)

都心部で売却先を探すのであれば、このソニー不動産で査定を取るのが一番おすすめなので、対応地域の人はチェックしてみて下さい。

ソニー不動産(1都3県在住の方)

ソニー不動産は、ソニーグループが運営する不動産サービスの一つです。一括査定とは違って、ソニー不動産自体が直接売却などの相談に乗ってくれます。

最大の特徴は、「同一物件では片側だけしか仲介しない」という点です。売主にとって不利な両手仲介が発生しないので、今非常に大きな注目を集めています。(両手仲介が発生すると、百万円単位で売り主が損をする可能性があります)

今のところ1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)でしか利用できないのがネックですが、この地域に住んでいる売主にはかなり大きなメリットがあります。

運営元もソニーグループということで安心感があるので、都心に住んでいるなら第一候補として使いたいサービスです。

公式サイトはこちら

マンション.navi(「買取」「売却」の両対応)

マンション.naviは、その名の通りマンションの仲介に特化しているサイトで、業界内では老舗のサービスとしてかなり有名です。

運営歴が長いので、住友不動産販売、野村の仲介+、ピタットハウス、三井のリハウス、みずほ不動産販売など、大手の不動産業者と提携しているのはもちろんのこと、地元密着型の小さいな不動産業者にも強いのが特徴です。

戸建て、マンション、土地などをまとめて扱う大手サイトと比較すると、マンション.naviの方がより専門的なサービスになっているので、マンションを売るなら絶対外せないサイトですね。

またマンション.naviの場合、「売却」だけではなく、業者による「買取」の査定金額や、一時的に「賃貸」として貸したい場合の相談などもできます。

大手に比べると知名度は落ちますが、訳あり物件の売却や、マンションを貸すのか売るのかで悩んだ場合には、ぜひ利用したいサイトです。

公式サイトはこちら

HOME4U(「売却」を考えている方向け)

「HOME4U」は、NTTデータが運営する国内最大級の不動産情報サイトです。不動産の一括査定サイトとしては最大手の一つで、今までの利用者数は約550万人以上と、豊富な実績を持っています。

東急リバブル、野村の仲介+、三菱UFJ不動産販売、三井住友トラスト不動産、阪急不動産、みずほ不動産販売、Century21など、大手の不動産業者はほとんどカバーしているので、これからマンションを売却したいと考えている人におすすめのサイトです。

もちろん、大手以外の地域密着型の不動産業者も多数参加していて、全国900社の業者の中から、最大6社にまとめて査定依頼ができます。

運営元もNTTデータという大企業で、過去の実績・経験も豊富なので、信頼性が高く安心して使えるサイトです。

公式サイトはこちら


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