東京都だけ売り出し価格と成約価格に大きな差が出る理由

東京都だけ売り出し価格と成約価格に大きな差が出る理由

中古マンションの価格を現す言葉として「売り出し価格」と「成約価格」があります。

  • 売り出し価格=その物件が売りに出されたときの価格
  • 成約価格=その物件が実際に売れた(契約)ときの価格

中古マンションに限ったことではありませんが、値引き交渉などが入り、売り出し価格よりも成約価格の方が多少低くなることが多いです。

値引き交渉によって成約価格が下がるのは東京でも神奈川でも同じですし、大阪や名古屋、福岡などでも売り出し価格より成約価格の方が下回るのが一般的となっています。

そこで今回は、不動産価格が高い東京都の「売り出し価格」と「成約価格」に関して書いていきます。

東京都だけ売り出し価格より成約価格が上回ってる?

東京都は2020年の東京オリンピックを控えるなど、今まさに不動産価格が上昇していることはご存知だと思います。そのため、東京都だけ売り出し価格よりも成約価格の方が上回っているのでは?と思ってる人も多いと思います。

ですが、それは間違いです。

実は、東京都だけ異常なほどに「売り出し価格よりも成約価格の方が低い」という事態が発生しているんです。

なぜ東京都だけそのような現象が起こっているのかについて説明していきたいと思います。まず見て頂きたいのが、2016年1月~7月までの売り出し価格と成約価格です。

東京都の中古マンション1㎡あたりの単価(単位:万円)
年/月 2016.1 2016.2 2016.3 2016.4 2016.5 2016.6 2016.7
売り出し価格 71.65 71.6 72.42 72.91 71.96 73.27 72.74
成約価格 63.33 61.89 64.39 62.8 62.59 64.02 63.5
差額 ▲8.32 ▲9.71 ▲8.03 ▲10.11 ▲9.37 ▲9.25 ▲9.24
埼玉の中古マンション1㎡あたりの単価(単位:万円)
年/月 2016.1 2016.2 2016.3 2016.4 2016.5 2016.6 2016.7
売り出し価格 28.88 28.67 28.87 29.59 29.18 29.48 30.55
成約価格 28.78 29.98 27.55 26.96 28.22 28.08 28.39
差額 ▲0.01 1.31 ▲1.32 ▲2.63 ▲0.96 ▲1.40 ▲2.16
神奈川の中古マンション1㎡あたりの単価(単位:万円)
年/月 2016.1 2016.2 2016.3 2016.4 2016.5 2016.6 2016.7
売り出し価格 38.46 39.13 38.87 38.93 39.71 39.55 39.38
成約価格 40.4 40.81 40.14 37.84 39.72 39.88 40.2
差額 1.94 1.68 1.27 ▲1.09 0.01 0.33 0.82

この比較表をみてもらってもわかるように、東京都だけ異常なほど成約価格が売り出し価格を下回っています。

この数字はあくまでも1㎡あたりの単価比較なので、一般的な分譲マンションの70㎡に換算すると、かなり大きな違いになってきます。

次に、東京都・埼玉県・神奈川県すべてで成約価格が売り出し価格を下回っている「2016年4月」で比較してみましょう。

70㎡のマンションとして計算した場合
売り出し価格 成約価格 差し引き
東京都 5103.7万円(72.91) 4396万円(62.80) ▲707.7万円
埼玉県 2071.3万円(29.59) 1887.2万円(26.96) ▲184.1万円
神奈川県 2725.1万円(38.93) 2648.8万円(37.84) ▲76.3万円

全体的に成約価格の方が下回っている中でも、東京都だけ大きく価格差が生じているのがわかります。

東京都だけ売り出し価格と成約価格の差が大きい理由

これからマンションを売ろうと考えている人は、このことを知らないと大きく損をする可能性があります。

今はどこの地域でも、中古マンションの売買で「値引き交渉」が当り前になってきています。

4000万円の中古マンションを買おうと思ったとき、買主側の心理としても「200万円くらい値引き交渉できるのではないか?」「100万円でも、いや50万円でも30万円でも安く買いたい」と思っているのです。

しかし、売主側としては「買いたい」「欲しい」と申し出る人が多ければ、値引きされた価格で買ってもらう必要はありません。

どんな時に値引きすべきなのか

では、どのようなときに値引きしなければならないのか。

それは、「なかなか売れない時」もしくは、買いたいと言ってくれる人が1組しかいない時などです。つまり、物件が余ってる状態(飽和状態)で値引き交渉は起こりやすいと言えます。

では、今の東京都はどうでしょう。テレビや雑誌などでは「東京都の不動産価格が高騰している」というのを目にした方も多いと思います。ですが、それは東京都の物件が欲しい人が大勢いるからではありません。

今、東京都はオリンピックも控えており、不動産の動きが活発化しているのは事実です。しかし一方では、「すでに東京都のマンション事情は頭打ち状態にある」という記事を目にすることも多くあります。

それは「この時期なら売れるだろう」と思ったゼネコンなどが、数多くの新築分譲マンションの販売を行っているのも理由の1つです。

しかし、完売してる新築分譲マンションは本当に人気が高い一部の地域だけだと言われています。つまり、売れ残ってる新築分譲マンションが数多く出回っているということです。

新築マンションが売れ残った場合

では、新築分譲マンションがたくさん売れ残っているとどうなるでしょう?

熾烈な値引き合戦が始まります。

当然、売主側も値引き交渉を持ち出されることは解っていますから、最初から値引きありきの価格で販売してる物件も少なくありません。

今回は新築分譲マンションの例をあげて話しましたが、これは中古マンションでも同じことが言えます。

近年の中古マンション売買では、東京都だけ異常なほど成約価格が下落してるのは不動産業者であれば当然知っているでしょう。

価格差が大きい理由は「値引き」が関係していた

そうなると、最初から値引き交渉されることを見越して売り出し価格を設定するようになります。

売却査定では3500万円ほどの中古マンションでも、値引きが入ることを予想して4000万円で売り出すことになります。

これが「売り出し価格と成約価格の差が大きい」というカラクリの答えです。

結局、新築でも中古でも値引き交渉されることを最初から予測してるので、それだけ売り出し価格を高めに設定する物件が多くなり、その結果が以下の2つの事案に繋がってくるのです。

・東京都の不動産価格が高騰している
・東京都だけ売り出し価格と成約価格の差が大きい

東京都の不動産価格は値引きを想定した価格設定の場合が多い

ここまで説明したように、東京都の不動産価格が高騰してる原因の1つは「値引き交渉を想定して売り出し価格を設定している」からです。

このことを知らないまま中古マンションを売買すると、思わぬ損をしてしまう可能性があります。

売主側が注意すること

この状況の中で売主側が注意することは、「適正な売却査定額を知る」ということです。

業者の中には、売却査定の段階で値引き交渉を踏まえて高めの査定額を提示するケースもありますし、本来の売却査定額をそのまま提示する業者もあります。

そんな中でも、本当に適正な売却査定を知る一番簡単な方法、それが「1社だけに査定依頼をしない」ということです。

査定を出す際は、一括査定見積りサービスを利用するが便利です。無料で利用できて、一度に複数の業者の査定価格が比較できるからです。

ただし、不動産業者にも色々なタイプが有り、売却に強い業者かどうか見極めてから依頼する必要があります。

賢い査定方法については、「マンション売却のおすすめはどこ?高く売るなら仲介業者選びが超重要!」のページで詳しく解説しているので、興味がある人はぜひチェックしてみて下さい。

買主側が注意すること

買主側としては、新聞折込チラシやネット広告を見て「マンション価格が高騰している!早く買わないと値上がりするかもしれない」と焦らないことです。

売り出し価格だけみて決めてしまうと、値下げを想定した価格の物件を買わされることになりかねません。その対策は、自分たちが探してる地域に的を絞って、売り出し価格と成約価格を比較してみることです。

売り出し価格と成約価格を比較することは、今のネット時代、そう難しいことではありません。

レインズマーケットというサイトを使えば、一般の方でも成約価格を調べることができますし、物件探しを依頼してる不動産業者があるのでしたら、その会社の担当者にお願いすれば調べてくれるはずです。

目で見える情報だけを頼らず、適正な価格でマンション売買をするようにしましょう。

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