知人や友人の紹介で不動産業者を決めるのは絶対にダメ

知人や友人の紹介で不動産業者を決めるのは絶対にダメ

引越しで賃貸の部屋を探す、あるいは不要になったマンションを売却に出すと行った際に、「知り合いの不動産屋さんに聞こう!」と考える人は多いと思います。

実際に筆者も、過去にハウスメーカーに勤務していた際には、

  • 良い賃貸物件を紹介して欲しい
  • 家を建てたいからどこの業者が良いか教えて欲しい
  • マンションを売りたいけどどの業者に頼めばいいのか解らない

という相談をよく受けていました。

しかし、私は不動産業界で働いているときから一貫して言っていることがあります。

それは「知り合いや知人に相談するのは良いが、紹介は絶対にしてもらわない」ということです。

これは賃貸でも、売買する場合でも同様で、守らないと大きな損をするリスクとなります。

今回はこういった「知人の紹介」について、リスクとデメリットを詳しく解説します。

賃貸物件を知人に紹介してもらうリスク・デメリット

知り合いに賃貸物件の紹介を依頼した場合、家主を直接紹介してくれる場合と、仲介となる不動産業者を紹介してくれる場合があります。

家主を直接紹介してもらう場合であれば、仲介手数料を払わなくて良いというメリットがあるのは事実です。

しかし、交渉の窓口が全て家主になってしまうので、住み始めたあとに面倒が発生する可能性があります。

例えば「隣の住人がうるさい」、「エアコンが壊れた」など、通常であれば管理している不動産会社に言えば対処してくれることでも、直接家主に言わなければなりません。

家主が相手なので言いたいことをいえない場合もあるでしょうし、思い切って言ったとしても家主側から「この入居者面倒だな」と悪い印象を与えてしまう可能性もあります。

そうなると段々と不仲になり、退去する際に多額の補修費用などを請求されることがあります。

さらに言えば、知り合いがわざわざ紹介してくれた家主だからと気を使って、内心では微妙な物件を借りてしまうケースもあるでしょう。

長く住むつもりではなく、一時的な住居と考えているならリスクは少ないですが、しばらくの間住み続けるつもりなら要注意です。

知り合いに不動産の売買を依頼する事のリスク・デメリット

賃貸よりもさらに注意が必要なのが、不動産を売買する場合です。

家やマンションを売るとなると、ほとんどの人が経験がなく不安に感じるので、つい不動産に詳しい知人に頼ってしまいがちです。

しかしこれはとても危険なことで、場合によっては百万円単位で損をしてしまうかもしれません。

知人が不動産会社で働いている場合、当然その知人は「だったら俺にまかせてよ」と言ってくると思います。

しかしこれは必ずしも親切心ではなく、お金の問題が絡んでいる可能性が高いです。なぜなら、不動産営業マンのほとんどは、歩合制だからです。

その知人がもともと売買部門にいるならば、その人自身の成績になるように、売却自体は一生懸命やってくれるかもしれません。

しかし、必ずしもその営業マンが「最高値で売ってくれる人」とは限らないので、確率で考えれば、他の仲介業者とも比較して選ぶのがベストなはずです。

知人の紹介だからと、本来希望する売値よりも幾分か安い金額で売ってしまった…なんて話はよく聞きます。

これはとても勿体ないことなので、ぜひ気をつけて下さい。

一度知人に頼んでしまった手前、途中で「やっぱりやめた」とは言いづらくなって、最終的に妥協してしまうという人が多くいるからです。

不動産の売買においては、例え手間がかかったとしても、一社ではなく複数の会社に話を聞いて、売却相場を確認するのが鉄則です。

マンションの売買に強い会社、戸建ての売買に強い会社、リノベーション物件に強い会社など、それぞれ得意分社が違うので、ランキングサイトなどを参考に、いくつかの会社に声をかけて相場を確認することをおすすめします。

実は身近にもいる「不動産ブローカー」に注意!

さらに最悪のケースも一つ解説しておきます。

不動産業界で働いているわけでもないのに、少しばかり不動産に詳しいという友人や知人に相談してしまったという場合です。

これは俗に言う「ブローカー」と呼ばれている人たちのことです。

例えば不動産ブローカーや自動車ブローカーなどが有名です。

このブローカーと呼ばれる人たちは、業者にお客さんを紹介して、そのお客さんとの売買が成立することで、業者側から謝礼をもらう約束をしています。

つまり、あたかも親切心で相談に乗っているようにみせかけ、実は裏で業者側と結託しているのです。

当然売買が成立しなければ、このブローカーと呼ばれる人たちにもお金は入りませんので、早期契約を後押ししてくるのが目にみえています。

その結果、本来の相場価格よりもかなり安い金額で売ることになってしまい、結果として数百万円損をした…という実話もありますので、ぜひ注意して下さい。

まとめ

多かれ少なかれ、不動産にはトラブルがつきものです。

土地の売買を紹介してあげれば、地盤が緩く、地盤改良するのに多額の費用がかかってしまうこともあります。

中古マンションを紹介してあげれば、目に見えない瑕疵が原因で、売主と買主が後々トラブルになるというケースもあります。

このような事例はいくらでもありますので、紹介する方もされる方も、安易に知人に頼むというのはやめた方がよいと思います。

お金をもらうことが目的ではなく、本当に親切心で紹介していたとしても、最終的には知人から「お前も業者から謝礼をもらっているから無関係ではない」と言われ、人間関係がダメになってしまうこともあるでしょう。

筆者は上記のような経験を踏まえ、友人や知人に不動産を紹介することを辞めました。

同時に、友人や知人を介して不動産の賃貸や売買をしないようにと、周りにも忠告しています。

よほど信頼できる相手、例えば家族同様の相手でない限りは、不動産絡みの紹介はやめておいた方がよいと思います。

目的別の仲介業者選びまとめ

  • できる限り高く売りたい
  • 急いで売って現金化したい
  • なかなか売れなくて困っている
  • 賃貸にしようか迷っている
  • 買取専門の業者を探している
  • ローン残債があるけど売りたい