マンションを親族に売るかどうか迷っています。注意点は?

マンションを親族に売る場合って、どうなのでしょうか?普通に売る場合と違って、何か注意点はありますか?それとも、普通に売る場合よりもラクなのでしょうか?

主人の妹夫婦が、今、私たちが住んでいるマンションを売ってくれと言っています。先月、みんなで食事をしているときに、子ども達が大きくなってきてマンションが手狭になったので、住み替えを考えている話をしました。

「すぐに売れるといいなぁ」と私が話すと、売るのだったら自分たちに売ってほしい、と主人の妹が言い出しました。彼女達はまだ子どもがおらず、賃貸に住んでいるのですが、そろそろマンションを買おうと話していたそうなのです。主人も、見ず知らずの他人に売るより、身内に売った方がいいだろうと乗り気です。

でも…正直私はあまり乗り気ではありません。値段も高くしにくいし、住みだしてから「こんなところに傷がある」とか言われたらどうしよう、などと考えてしまいます。主人達が言うように、身内にマンションを売ることは、そんなに良いことなのでしょうか?

不動産の売買を生業とせず1回限りの契約でしたら、不動産仲介業者(宅建取引主任者)を介さずに契約を結び売買することは可能です。

そうすれば、売主、買主共に、仲介手数料(上限、売買価格×0.3%+6万円)を支払う必要がなくなります。予め買主が決まっている場合や親族間の売買では、仲介業者を介さずに契約を結んで売買する人もいます。

ただし、不動産業者を介さずに親族間で契約を結び土地やマンションの売買を行う場合、注意すべき点がいくつかあります。

まず、価格の設定です。親族間だからといって、あまりにも安い価格で売ると、売却ではなく贈与と見なされることがあります。そうなると、贈与税等がからんできますので注意が必要です。

近くの同じようなマンションが、いくらぐらいで売りに出されているかなどを調べて価格を決めるようにしましょう。ただし、売り出し価格が実際に取引されている価格と同じではありませんので、あまり神経質になる必要はないでしょう。

次に代金の支払いについてです。売却するあなたのマンションにローンが残っておらず、義妹夫婦がローンを組まずに一括で支払いをするならば、問題はあまりありません。一番問題があるのは、あなたのマンションにローンが残っていて、義妹夫婦がローンを組んで購入する場合です。

その場合だと、あなた方夫婦が新しいマンションに住みかえるためには、義妹夫婦がローン審査に通ってマンションの代金をあなた方夫婦に支払うことが必須になりますよね。しかし、親族間の売買の住宅ローン融資に対して一般の金融機関は消極的なようです(特に親子間、夫婦間の場合)。ですから、義妹夫婦がローンを組めるかどうか、予めしっかりと確認しておく必要があるでしょう。

また契約に関してですが、身内間の場合どうしても曖昧になりがちです。それが後々トラブルにつながる場合も少なくありませんので、身内間の契約であっても、きちんと契約書を交わすようにしましょう。

そして所有権移転の登記申請(不動産の名義変更)ですが、これも自分で行うことは可能です。ただし、揃える書類や手続きがかなり複雑ですし、間違いがあった場合そのまま登記される恐れもありますので、不安な場合は専門家(司法書士)に頼む方がよいでしょう。

仲介業務ではなく、上記のようなローンの手続や契約書の作成、登記申請について代行してくれる不動産仲介業者もあるようですので、自分達で行うのが不安な場合は、査定をしてもらう際などに一度たずねてみてはいかがでしょうか。

いずれにしても、身内間であっても不動産(マンション)の売買は、売買に変わりありません。トラブルが起きた場合、身内であるがゆえに後々不仲の原因になることもありますので、そのようなことがないよう十分に注意してくださいね。

目的別の仲介業者選びまとめ

  • できる限り高く売りたい
  • 急いで売って現金化したい
  • なかなか売れなくて困っている
  • 賃貸にしようか迷っている
  • 買取専門の業者を探している
  • ローン残債があるけど売りたい