住宅ローン審査で「不可」と判断される理由トップ5は?

住宅ローン審査で「不可」と判断される理由トップ5は?

私が不動産会社で働いている時、「住宅ローンの審査で落ちてしまった」という方をたくさん見てきました。ですが、住宅ローンの申込みを1社にしかしていないのならば、まだ希望はあります。

住宅ローンの審査には、各社とも独自の審査基準を設けており、仮にA銀行で審査に落ちてしまっても、B銀行の審査に通ることは日常的に良くあることだからです。

そこで今回は、住宅ローンの審査に落ちてしまう理由をいくつか考えてみたいと思います。

信用情報の問題

お金を借りる際に審査があるものといえば、クレジットカードや消費者金融、車のローンなどが身近だと思います。

しかし、住宅ローンは借入額が大きいので、普通の審査よりも厳しくチェックされます。そのため、過去に一度でも信用情報に残るような金融事故を起こしていると、住宅ローンの審査で落ちてしまう可能性があります。

金融事故というのは、信用情報機関に遅延や滞納、ならびに債務整理(自己破産や任意整理など)の情報が残ることをいいます。

過去に以下のようなケースに該当していれば信用情報機関にその情報が残ってる可能性があります。

  • クレジットカードの支払いを遅れたことがある
  • ローンの支払いを遅れたことがある
  • 携帯料金の支払いが遅れたことがある
  • 消費者金融の返済が遅れたことがある
  • 奨学金の支払いが遅れたことがある(平成20年11月以降に利用している方)

一般的に、「返済や滞納が3ヶ月続くと信用情報機関に事故情報として登録される」と紹介してるサイトが多いようですが、実際には明確な決まりはありません。わずか1日の返済遅延でも、それが毎月続いていたり、合計で5回や10回に及ぶ場合は信用情報機関に事故情報として登録される可能性があります。

一度登録されてしまった事故情報は2年~5年ほど消えることはありません。それらの金融事故の情報が残ってる間に住宅ローンの新規申込みをすると、必ず個人の信用情報を照会されますので、住宅ローンの審査で落とされてしまう可能性が極めて高くなるということです。

信用情報機関は、「CIC」、「日本信用情報機構(JICC)」、「全国銀行個人信用情報センター」と3つが大手となります。これらの情報機関は手数料で1,000円を払えば自分の信用情報を開示してもらうことができますので、住宅ローンに申込みをする前に一度自分の信用情報を確認しておくのも良いでしょう。

個人属性の問題

個人の属性というのは、「年収、年齢、勤続年数、居住物件、勤務先」などのことをいいます。つまり住宅ローン審査で落ちてしまったのは、これら属性の何かが審査基準に達していなかったという可能性があります。

一般的によく言われるのが「転職して日が浅い」「申込み金額と年収が釣り合ってない」「勤務先が個人経営の小規模事業所」などが考えられます。

最近では、勤続年数などの条件を外している住宅ローン商品が増えましたが、少し前までは住宅ローンの申込み条件として「勤続3年以上」としているローン会社が多数ありました。

住宅ローンの申込みの最低条件として「トリプル3」というのは今も根強く残っているのは事実です。
(トリプル3とは=年収300万以上、勤続年数3年以上、年齢30歳以上のことをいいます)

もちろん、年収270万円で住宅ローンが組めたという人もいれば、勤続1年で住宅ローン審査に通ったという人もいますし、30歳以下の年齢で住宅ローンを組んでる人もたくさんいます。

ただしこのような例外となる人は、公務員や上場企業に就職していたり、預貯金が借入額の2割を超えているなど、何かしら属性に強みがあるケースが多いです。

他社からの借入ローン

実は、この問題で住宅ローンの審査に落ちてしまう人が多いのです。管理人が住宅営業の仕事をしているときも、この理由で審査に落ちる人が一番多かった気がします。

まず、住宅ローンの申し込み前に消費者金融などからの借入がある人は、高い確率で審査に通りません。年収700万で借入額5万円など、明らかに支払いが可能な場合は別として、年収350万で借入30万くらいですと、ほぼ審査は通らないと思います。

その場合は、滞納や遅延したことがないという方でも同じです。消費者金融を利用していることは、信用情報機関に照会をすればすぐにわかってしまいます。

ですので、住宅ローンの申込みをしようと考えてるのであれば、消費者金融はもちろん、他の借入金もすべて完済してから住宅ローンの審査に申込みすることをおすすめします。

ただ、車のローンのように高額なものは別です。場合によっては車のローンを全額返済することを融資の条件に出されることはありますが、この車のローンや学資ローンのように金利が低いものは、消費者金融やクレジットカードのキャッシングとは別物として考えて下さい。

住宅ローンの融資をお願いしている金融機関からの条件を提示されてから考えても遅くはないでしょう。

健康問題

住宅ローンの審査では思いもよらない「健康問題」で落ちてしまう人もいます。生命保険に加入するときと同じように、過去3ヶ月以内に病気をして病院に行っていたり、過去3年以内に手術や入院をしていると、審査の段階でかなり厳しくチェックされます。そして、再発性の高い病気を患っている場合は、過去5年経過してても審査に通らないケースがあります。

そもそも、なぜ健康問題と住宅ローンが関係あるのかということですが、住宅ローンには団体信用生命保険(以下:団信)というものがあります。これは、住宅ローンを借りてる人が亡くなってしまった場合、残りの住宅ローンを保険金で支払ってくれるという保険です。今の住宅ローンは、この団信に加入することが住宅ローン借入の条件のようになっているのです。

つまり、健康に問題がある場合は「団信に加入できない=住宅ローンは組めない」ということになるのです。

ただし、そういった方のためのセーフティネットとして、「フラット35」のような住宅ローンもあります。フラット35の場合は団信への加入は任意となっていますので、民間の金融機関とは違い団信に加入できない場合でも、健康問題という部分は審査に関係がないということになります。

携帯電話料金の遅延・滞納

先に書いた「信用情報の問題」と被ってしまう内容になりますが、最近この問題で住宅ローン審査に落ちてしまう人が急増しており、社会問題にもなってるようなのであえて書かせてもらいます。

近年、携帯電話(以下:スマホ)の本体代金が高騰しており、一括払いではなく、スマホ料金と同時請求として機種代金を分割購入する方が増えています。

ですが、ここに大きな落とし穴があります。

スマホの基本料金や通話料金などは「ローン」ではありませんが、機種代金の分割料金は立派なローン商品です。

つまり、スマホ料金の支払いを遅れてしまうと、分割購入した機種代金の支払いも遅れていることになるため、「ローンの支払いが遅れた」という扱いにされてしまいます。そうなると、先にも話したように信用情報機関に「遅延」「滞納」として事故情報が登録されてしまうのです。

この事実が周知されておらず、ただ携帯料金の支払いが遅れているだけだと勘違いしてる人が多くいるようなのです。携帯料金のみの支払い遅れでは信用情報に登録されることはありませんが、機種代金の分割料金が入っていれば個人情報に登録されてしまうということになります。

この件についてはさらに詳しく別記事の「携帯・スマホ料金の遅延や滞納が原因で住宅ローン審査に落ちる人が急増している」で書いてますので、そちらも参照してください。

住宅ローンの審査は、申し込む前の個人情報がとても重要になります。

今後、「マイホームを持ちたい」「不動産を買いたい」と考えているならば、上に挙げた審査に落ちる可能性のある原因と自分の状況を照らし合わせ、審査に通りやすい行動をしていくよう心がけましょう。

目的別の仲介業者選びまとめ

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