管理情報の開示項目が強化されることによる影響は?

管理情報の開示項目が強化されることによる影響は?

今やマンションの管理状況が、そのマンションの資産価値に大きく関わってくることは常識です。自分のマンションの資産価値が落ちるような管理を望む人は、誰もいません。現在居住している人はもちろん、これから中古マンションを購入しようと考えている人にとっても、やはりマンションの管理状況は気になるポイントだと思います。

本来、購入を検討しているマンションがどのように管理されて、組合により運営されているのか、皆知りたいと思います。今後どのような修繕計画があるのか、またそれらの費用はしっかりプールされているのか、気になりませんか? 

しかし、中古マンションを購入した経験がある人なら解ると思いますが、このような最重要とも言うべき管理状況について、購入前に知ることはほぼ不可能です。

正確に言えば、購入する直前には知ることができます。しかしそれは契約の席です。そんな切羽詰まったタイミングで慎重に検討することなど、ほぼ不可能に過ぎません。

そのため、購入後に管理状況について揉めるケースが後を絶ちません。そうした状況を改善することを目的として、今現在急ピッチで、中古マンションの開示情報に関する改定が進んでいます。

今回は中古マンションの管理状況、そして開示請求について少し掘り下げてみたいと思います。

購入検討マンションの管理状況を知ることはできないの?

結論から申し上げると、購入を検討している段階で、充分な管理情報を知ることはできません。

もちろんそのマンションの管理組合が、何の疑いもなく管理状況を開示してくれるなら話しは別です。しかし、いくら購入を検討しているからと言って、誰にでも自分たちのマンションの管理状況や資産状況を見せることは通常しません。

突然、「おたくの会社の面接を受けようと考えているのですが、就業規則をコピーして貰えませんか。」とお願いしても、当然「それは無理です」と断られます。就業規則は社員のみ公開されるのと同じで、マンション管理規約や管理状況も、一般的にはマンションの所有者のみに公開されることになっているからです。

これまでは、こうした理由から中古マンションの購入を検討していても、管理状況の開示を拒否する管理組合も多数存在していました。なかには、仲介する業者が管理組合に打診することなく「管理状況の開示は通常やっておりません。契約時に書面で交付します」と門前払いすることも多々ありました。

しかしそれでは購入者にとってマイナスでしかなく、数千万円もする買い物に躊躇してしまう人が出てくるのも当然のことです。

こうした購入者の購買意欲を高めるため、国土交通省がマンションの管理状況を出来る限り開示する旨のガイドライン作成に取り掛かろうとしています。

その国土交通省から発表されている資料の一部を抜粋します。

「中古マンションの購入を検討する方にとっても、購入の判断材料の一つとして、また、入居後の生活を円滑に送るための基本的な情報として、必要なマンション管理情報を得ることは大変重要です。購入予定者が必要とするマンション管理情報を提供することは、管理組合にとっても、マンション内におけるトラブルの未然防止等の観点から有意義であるほか、良好な管理状況をアピールすることがマンションの資産価値の向上に資するという効果も考えられます」

この国土交通省の動きをうけ、これまでより柔軟な姿勢で対応するマンションの管理組合が増えているのは事実です。

これまで情報開示に消極的だったマンションでも、なるべく購入者の知りたい情報を、積極的に開示していこうという動きになっているようなので、ダメ元でもいいですから、購入検討段階であってもマンションの管理情報開示をお願いしてみることをおすすめします。

知っておきたいマンションの管理状況

ここではマンションの管理状況を開示してもらうときの参考として、一般的なマンションの管理項目について説明していきたいと思います。

概要 内容
1 建物の概況関係 建物の概況や構造・設計に関する図書等
2 共用部分の維持管理状況関係 長期修繕計画
3 共用部分の維持管理状況関係 修繕・点検などの実施状況
4 利用・居住に関するルール・サービス関係 専有部分のルール、サービスの情報
5 利用・居住に関するルール・サービス関係 共用部分のルール、サービスの情報
6 利用・居住に関するルール・サービス関係 管理費や修繕積立金等の月額や支払方法
7 管理組合の運営関係 管理組合の概要
8 管理組合の運営関係 組合員や居住者の名簿
9 管理業務関係(管理業務を委託している場合) マンションの管理業務情報
10 管理組合の収支関係 管理組合の収支状況(管理費や修繕積立金会計状況)
11 管理組合の収支関係 各戸の管理費や修繕積立金等の滞納額、遅延損害金
12 その他 その他(災害時の対応に関する計画など)

この中で重要視しておきたいのが、「長期修繕計画」「修繕・点検の実施状況」、そして「管理組合の収支関係」の項目です。最低でもこの3項目くらいはマンションを検討している段階で情報を公開してもらいましょう。この項目は購入するか見送るのかを決める大きな判断材料となるはずです。

先程、管理状況は一般公開する義務はないとご説明しましたが、これらの項目くらいであれば、仲介をしている不動産会社の担当者に言えば調べて教えてくれるはずです。コピーなどの印刷は断られる可能性はありますが、情報を提供するくらいはどのマンションでもOKしてくれるはずです。

これまでは総会の議事録、管理規約、会計帳簿などが開示項目の対象となっていましたが、今後はこれに加え長期修繕計画と設計図書、修繕の履歴情報なども開示項目として追加する動きのようです。

情報を隠さないことの大事さ

このような動きは、仲介する不動産業者もマンションの管理組合もすでに把握しているはずなので、今後、これらの情報開示に消極的なマンションの管理組合があるとすれば、それは「あまり知られたくない管理状況が存在している」ということなのかもしれません。

情報を隠さず伝えてくれることは、信頼や安心にもつながります。

マンションの売り手にとっては、日頃の情報管理の質を高くすることが益々重要になっていくでしょう。買い手は出来るだけ明確な情報を得たうえで、購入の可否を決定することができるようになります。

今後、情報開示が一般化されていくことによって、より一層安心して売買取引ができる形に整えられていくといいですね。

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