Airbnbで事件やトラブル続出!?予想されるリスクについて

Airbnbで事件やトラブル続出!?予想されるリスクについて

ホテルなどの一般的な宿泊施設ではなく、個人宅に宿泊することを総称して「民泊」と言います。海外留学をする際によく行われるホームステイをイメージするとわかりやすいでしょう。友人宅に泊めてもらうことも民泊の一種です。

この民泊に注目が集まるきっかけとなったのが、「Airbnb」というインターネットサービスです。Airbnbは、空いている部屋を提供するホストと宿泊希望者であるゲストをインターネット上で仲介します。

サービスが始まったアメリカだけでなく、世界中で利用ができます。日本での認知度も上がっていて、2015年現在、Airbnbを使った日本への外国人旅行客はなんと50万人を超えているそうです。

しかし、良い面ばかりではありません。Airbnbが普及するにつれて、さまざまな問題点も指摘されるようになりました。

前回のコラムでは、Airbnbに関する基本的な知識をまとめましたえが、今回のコラムでは、Airbnbにつきまとうリスクについて解説したいと思います。

賃貸物件を使ったAirbnb は又貸しになる

もともとは自宅の空き部屋を貸すことが目的のサービスなのですが、Airbnbのホストになることをビジネスとして捉え、大家から借りたマンションの一室をAirbnb物件として活用するケースが増えています。

この場合には、大家との賃貸借契約をよく確認する必要があります。通常の賃貸借契約では、第三者への転貸は禁止となっていることがほとんどだからです。いわゆる、「又貸しの禁止」です。

また、民法という日常生活に関連した法律には、「賃借人による無断転貸の禁止」及び「無断で第三者へ転貸していたときには、賃貸人が契約解除をすることができる」旨が規定されています。

Airbnbはまさに、第三者への転貸そのものですから、マンションの一室を大家に無断でAirbnbに利用することは、契約や法律に違反することになります。大家に見つかって、賃貸契約を破棄されることになっても文句は言えません。

まずは大家の承諾を得ることが必要ですが、Airbnbを目的とした転貸承諾を得るのは困難でしょう。

なぜなら、マンションの一室に毎日異なる人が出入りすることで、近隣住民に不安を与えてしまうからです。しかも、世界各国からの観光客が入れ替わり立ち代わりやってくるともなれば、転貸を承諾してくれることは考えにくと言えます。

しかし、実際には賃貸物件をAirbnbに利用しているケースは少なくありません。推測に過ぎませんが、おそらく大家に話を通さずにAirbnbに登録しているケースが多いのだと思います。

大家に内緒で賃貸物件を転貸することは倫理的に問題があるばかりか、明白な契約違反になりかねません。大家への理解を得ることは、Airbnbのホストになるために最低限必要なこととして認識してください。

ただし、大家に承諾をもらったからと言って、問題がすべてなくなるわけではありません。近隣住民とのトラブルも発生しています。

頻発する近隣住民とのトラブル

2015年11月、民泊に関する衝撃的なニュースが飛び込んできました。

とある業者が、5階建てマンションの全44室のうち、なんと36室も借り上げて、7日間という短期間のうちに約300人の中国人観光客を有料で泊めていたというのです。この業者は、旅館業法違反で書類送検されることが決まりました。

摘発のきっかけは、「中国人が出入りしている」という苦情が京都市に寄せられたことです。同じマンションの住人が民泊利用者につきまとわれたり、インターホンを間違えて押されるなどの迷惑を被っていました。

これは比較的大規模な事件のためニュースとなりましたが、民泊にまつわるトラブルという意味では、ほんの氷山の一角にすぎません。近隣住民とのトラブルは他にも多数報告されています。

Airbnbの利用者は海外からの旅行者が多くなります。彼らには日本文化とは相いれない部分があることから、トラブルがどうしても多くなってしまうことは否定できません。

京都市の事例以外では、ゴミをきちんと処分する意識のないゲストが、大量のゴミを部屋中に散らかしたままであったり、深夜にも関わらず大きな声を出して騒いでいたといったトラブルが代表的です。

さらに海外の事例では、売春宿として利用されていたり、部屋中が荒らされ物品が盗難、あげくには傷害事件が発生するなど、さまざまな犯罪の温床にまでなってしまっています。

日本でも、このような悪質な犯罪が起きないという保証はどこにもありません。

もちろん、全体的に見ればトラブルを起こさない利用者がほとんどだと思います。ただし、中には自国の習慣を日本に持ちこんでくる外国人もいます。

特に、マンションの一室でAirbnbを運営する場合には注意が必要です。近隣には多くの住民が住んでいるからです。

あなたが住んでいる隣の部屋に、見知らぬ外国人が毎日入れ替わり立ち代わりで入ってくることを想像してみてください。

近隣住民にとっては素性不明な人なのですから、犯罪に巻き込まれる心配など、セキュリティが保たれるのかどうかとても不安になります。その上、大きな声で騒がれでもしたら、たまったものではありません。

仮に大家から転貸の承諾を得たとしても、近隣住民へのしっかりとした説明を行い、理解を得ることが求められるでしょう。

新しいビジネスであるがゆえの法的リスク

宿泊料金を徴収して運営される宿泊施設は、法律的には「旅館業」を営んでいることになり、「旅館業法」という法律が適用されます。

友人を自宅に宿泊させるのにお金を取る人はいないように、通常の民泊は無償が基本ですが、Airbnbの場合は宿泊料金を支払う有料の民泊となります。

Airbnbでお金を稼ぐことが旅館業にあたるのであれば、旅館業法に定められている「許可」を受けなければなりません。

ですが、Airbnbを利用したからといってすべてのケースが旅館業になるわけではありません。

Airbnbはインターネット時代の新しいサービスのため、法律がAirbnbに追いついていません。「民泊ビジネス」は想定されておらず、民泊に関する規定が置かれているわけではないのです。

そのため、民泊をするために許可を得ることが必要かどうかについてはっきりしておらず、Airbnbはグレーゾーンだと揶揄されることがあります。

民泊ビジネスそのものが合法か非合法かがわかりにくいわけですから、非合法として判断される可能性もあるのです。これがAirbnbが抱える法的リスクです。

それでは、Airbnbが法的にグレーゾーンだとされる理由を見ていきましょう。

旅館業法では、「旅館業」を「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義しています。この「宿泊」は、「寝具を使用して施設を利用すること」を意味します。

つまり、

  • 宿泊料金を徴収すること
  • 寝具を使用して施設を利用すること
  • 反復して行い、営利を目的としていること(営業行為)

この3つのすべてにあてはまれば、旅館業ということになります。営業行為であるかどうかは、営利目的かどうかに加えて、反復継続して「業」として行っているかどうかも関係します。

友人を自宅に泊めたときに、お礼としてたまたま金銭を受け取った場合は、営業行為にはあたりません。営利目的ではありませんし、反復継続してはいないからです。

Airbnbは旅館業に当たるのか?

ではAirbnbが上記の条件に当てはまるか考えてみましょう。

Airbnbの決済システムを使って、ゲストはホストに宿泊料金を支払いますし、寝具(布団やベッド)は通常の場合、部屋に用意されていますので、ふたつの条件は満たしています。

問題なのは、Airbnbの利用が営業行為にあたるかどうかという点です。宿泊料金を何度も繰り返し得ている場合には旅館業の営業行為とみなされるでしょうし、単発でたまたま空き部屋を貸したというのであれば営業行為ではありません。

線引きは難しいのですが、明らかに営業行為としてAirbnbを利用しているにも関わらず、旅館業法にのっとった許可を受けていないケースが多くあると言われています。

現状では、民泊ビジネスが野放し状態になっていると言っても過言ではありません。旅館業法に明確に違反しているにも関わらず、そのまま放置されているケースが多く存在しているのが実態でしょう。

今は黙認されているような状態ですが、いつ法律違反として摘発されるか分からないのでは、民泊が永続的なビジネスになることはないでしょう。あまりにもリスクが大きすぎます。

法律で明確な規定を設け、その中で運営することによって安全性と透明性を確保することができます。ホテルなどの宿泊施設を私たちが安心して利用することができるのは、明確なルールが存在するからです。

Airbnbに関しては、今のところ法整備が追いついているとは言えず、今後行政側がどのような対応を取るかが非常に大きな注目を集めている状況です。

民泊条例でグレーゾーンの解決を目指す地方自治体

いつまでもグレーゾーンのままでは、民泊ビジネスの可能性をつぶしかねません。そこで、民泊に関して一定の行政判断をくだすとともに、ルールづくりを進める地方自治体が出てきました。

特に、海外旅行客の受け入れに積極的な自治体においては、民泊を利用して宿泊施設の不足を補いたいという思惑がありますので、民泊ビジネスを非合法とするのではなく、うまく活用する方法を模索しています。

2015年7月に福岡県は、県議会において「自宅の建物に人を宿泊させる場合でも、宿泊料金とみなすことができる対価を得て人を宿泊させる業を営む者については、旅館業法の許可を取得する必要がある」と答弁しました。

そして2015年10月27日には、大阪府府議会で「民泊条例」が成立しました。この条例では、民泊についての諸条件を定め、条件に合致した民泊であれば、「旅館業法の適用除外」とすることにしたのです。

旅館業法の適用がされないということは、許可を受けずに空き部屋を希望者に貸し出すことが「合法」として、大阪府のお墨付きが与えられたことになります。

適用除外となるための条件としては、「7日間の最低滞在期間」や「行政の立ち入り権限」などがあります。

また、東京都大田区も2015年12月8日に「民泊条例」を可決し、翌2016年1月に施行予定となっています。こちらも大阪府の条例と同様に、「7日間の最低滞在期間」や「行政の立ち入り権限」などのルールが盛り込まれています。

大阪府の条例は2016年4月に施行予定ですから、東京都大田区が一足早く、全国初の民泊条例施行自治体となります。

これまでに放置されてきたグレーゾーン問題を条例で解決しようとすることは評価されるべきですが、「7日間の最低滞在期間」の設定など、実態に合ったものかどうかと言うと疑問が残ります。

この「7日間」という期間は、実に微妙な期間です。なぜなら、1泊の民泊は条例違反ということになりますし、7日間というのはあまりにも長いのではないかと思うからです。

管理人の私見では、この7日間という期間を設定したことで、Airbnb社の日本での活動がしにくくなるのではないかと考えています。Airbnbには7日間の最低期間のルールがありませんので、すでに1泊から6泊までの期間の宿泊を受け付けているためです。

行政は、こういったルールを設けることによって、条例に適合した日本発の新たな民泊サービスの誕生を期待しているのかもしれません。日本企業が民泊市場に続々と参入することによって、より日本の実情に即した民泊サービスが構築できると考えられるからです。

実際に、Airbnbと同様のサービスを提供するサービスが、東京都大田区と大阪府を対象にはじまっているようです。(※参考:「STY JAPAN」」

この「STAY JAPAN」は、日本の民泊条例に合わせた形で展開されていて、日本の法的状況に適合したサービス設計を売りにしています。

いずれにせよ、行政側としても民泊をなんとかしなければならないと考えていることは間違いありません。必要な法整備がこれからなされていくことでしょう。

地方自治体だけではありません。厚生労働省と観光庁が、2015年11月27日から民泊に関する検討会を始めています。国としても、Airbnbをはじめとした民泊を見逃せない課題として認識していることが分かります。

まとめ

インターネット上に報告されているトラブルの事例は決して少なくありません。Airbnbがますます広がっていくにつれて、事件やトラブルの数は比例して増えていくことが予想されています。

ホストとしては、ゲストがもたらすトラブルを事前に防ぐ努力も必要ですが、予防線を張るだけでは限界がありますので、ある程度、行政が主導する法規制も必要となるでしょう。

2020年の東京五輪に向けて、訪日する海外旅行客の増加が見込まれています。民泊に関するしっかりとしたルールがつくられ、そのルールの中で民泊を上手に活かすことができれば、日本の魅力を世界中に発信する起点ともなります。

そのためにも、民泊ビジネスのリスクを最小限にするためのルールとはなにかを前向きに考えていきたいものです。

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