Airbnbは日本で流行るか?収益性と手数料、保証金について

「空き部屋を貸したい人(ホスト)と借りたい人(ゲスト)をインターネット経由で仲介するシェアサービス」が、不動産業界の最新トピックとして注目を集めています。

アメリカ発の「Airbnb(エアビーアンドビー)」というサービスで、いまや190カ国、3400以上の都市で利用されていて地球規模で成長を遂げています。

Airbnbのサービス内容について

Airbnbは、端的に言えば宿泊施設を探すためのインターネットサイトです。しかし、一般的な予約サイトとは異なり、ホテルや旅館のような正式な宿泊施設を探すものではありません。

Airbnbを使えば、旅館としての体裁を整えた物件でなくても、自分の家を宿泊施設として貸し出すことができます。

空き部屋が提供されるだけのいたって簡素なものもありますが、ホストファミリーがもてなしてくれるホームステイのような形態もあり、宿泊先での一期一会を楽しむことができます。

世界中の人々が日常生活を送る一般の民家に宿泊して、現地の日常生活に触れられることが魅力のひとつです。

また、アパートや一軒家だけでなく、ボートやキャンピングカーに至るまで、実にさまざまな「宿泊施設」がサイト上には登録されています。

さらには、オランダの空港内にある飛行機に泊まれるといった、変わり種のプランが企画されることもあります。

このように、Airbnbでは通常のホテルに泊まる旅行とは一味違う体験が出来るため、旅行が好きな人や一般の宿泊施設ではもの足りない人にとって、うってつけのサービスとして爆発的な人気を得ています。

Airbnb利用の流れ

Airbnbの使い方を簡単に説明します。ゲストが宿泊するまでの流れは次の通りです。

  1. ホストが、提供する部屋に関する情報をAirbnbに登録
  2. Airbnbを見たゲストが、掲載物件の中から宿泊を希望する部屋を選ぶ
  3. ゲストから予約リクエストを受け取ったホストが承認するか却下するかを選択
  4. 予約が完了した部屋にゲストが宿泊

ホストは提供物件の写真やコメントを掲載し、Airbnbを利用しているゲストに自身の物件をアピールします。

立地や部屋の写真、ホストからのアピール、過去の利用者からのコメントを参考にしながら、ゲストは宿泊先を選んでいきます。

また、ホストとゲストは相互に評価される仕組みとなっています。ホストもゲストをレビューすることができます。

予約リクエストを受けたホストは、マナーをきちんと守ってくれるゲストなのかどうかを過去のレビューから推し量り、リクエストの承認可否を決めることができるというわけです。

レビューシステムは、利用者の信頼を担保する役割を担っています。全く見ず知らずの人を自分の物件に泊める不安を払拭させるシステムとして、レビューが一役買っています。

ビジネスプラットフォームとしてのAirbnb

ゲストは、宿泊を希望する部屋のホストに対して宿泊料金を支払います。決済はAirbnbを通じて行うので、ゲストとホストの間に現金の直接的なやり取りが発生することはありません。

金銭を得ることができるのですから、ホスト側から見れば、Airbnbはビジネスを行うためのプラットフォームです。

たとえば、利用していない空き部屋を宿泊希望者に貸し出すことができれば、遊休不動産の有効活用になります。個人が行う副業としてもAirbnbの利用が可能です。

Airbnbが注目される背景には、特筆すべき「手軽さ」があります。

ホテルや旅館を経営するとなると、膨大な事業資金が必要となります。まずは施設そのものを建てなければなりませんし、広大な土地も手に入れる必要があります。

Airbnbを利用する場合には、あくまでも空き部屋を貸すだけでいいのですから、莫大なコストは必要ありません。自宅を開放するだけでもAirbnbビジネスは成立します。その場合は、かかる費用はほぼゼロと言ってもいいでしょう。

また、マンションを新たに借りたり、購入したうえで、Airbnbビジネスを始めるケースも増えてきています。

もちろん、営利活動としてAirbnbを利用するのではなく、単純に多くの人と触れ合いたいと考えて、多くのゲストを自宅に招き入れているホストも多くいます。

Airbnbは部屋を提供したいホストと気軽に泊まりたいゲストを結びつけるサービスですから、どのような目的でサービスを利用するのかはユーザーにゆだねられています。

いずれにせよ、「空き部屋さえあれば始められる手軽さ」が、Airbnbの大きなメリットとなっています。

Airbnbは儲かるのか?

このサイトを見ている方の中には不動産オーナーの方も多いので、最も気になる点はやはり「ビジネスとしてのAirbnb」でしょう。

はたして、Airbnbは儲かるのでしょうか?Airbnbの仕組みを見ていきながら、どのように収益を上げることができるのかについて考えていきます。

無料で物件を掲載できる

ホストになりたい場合にはまず、提供物件情報をAirbnbに掲載することが必要です。この情報を見たゲストに「ここに宿泊したい!」と思ってもらうことが、Airbnbビジネスの出発点になります。

情報を掲載した段階では、Airbnbに対して料金を支払う必要はありません。無料で情報を掲載することができるので、サイト利用については初期費用がかかりません。

Airbnbへの支払いが発生するのは、ゲストからの予約が成立した場合に限ります。物件を登録するハードルが低い気軽さも、Airbnbの登録数が増加している理由でしょう。

予約が成立した段階で、ゲストとホストの両者が手数料を負担します。ホストはゲストから徴収した総額(宿泊料金+清掃料金など)の3%、ゲストは支払総額の6〜12%をAirbnbに支払います。

ゲストが支払う手数料に6〜12%と幅があるのは、宿泊料金の額によって料率が異なるからです。料金が高くなるにしたがって、料率が下がっていく仕組みです。

注目すべきは、ホストの手数料が3%であるということです。消費税よりも断然に安い手数料なのですから、経済的負担は少ないと言えます。

また、ゲストから清掃料金を徴収することができますので、部屋の管理費用をゲストに負担してもらうことが可能なのです。

こうしてみると、Airbnbはホストが取り組みやすい仕組みとなっていることがわかると思います。

初期費用はどのくらいかかるのか

サイトに物件を登録する際の費用はかからないと言っても、物件を用意しないことにはなにも始まりません。

すでに保有している不動産物件をAirbnbに登録するケースであれば、物件を用意する費用はかかりませんが、部屋の中の家具を整えたり、綺麗に清掃をしたり、ゲストを迎えるにあたっての最低限の準備は必要です。

一方で、Airbnb用に物件を用意する際には、ある程度まとまった初期費用が前提となります。この場合であっても、マンションなのか、一軒家なのか、都心なのか、地方なのか、賃貸なのか、購入なのか・・・・。さまざまな要因によって用意すべき初期費用が変わります。

また、不動産の購入費用に加えて、内装のメンテナンス費用も考慮しなければなりません。テーブルや椅子などの家具、テレビや冷蔵庫などの家電をはじめとして、宿泊するうえで困らないだけのアイテムを揃える必要があります。

立地や物件の形態によっても大きく変動するので一概には言えませんが、少なく見積もったとしても、数十万円から100万円程度の初期費用は必要となるでしょうか。

運営に必要なランニングコスト

物件を準備したあとは、運営するためのランニングコストがかかっていきます。

賃貸物件のひと部屋を丸ごとAirbnbに使う場合には、家賃が経費としてかかります。部屋を綺麗に保つためのメンテナンス費用はもちろんのこと、トイレットペーパーなどの消耗品を補充することも必要です。水道や電気代もホストが負担しなければなりません。

そして、Airbnbへ支払う3%の手数料も運営コストとなります。

ひとり暮らしをしたことのある人は、一か月の生活費にどのくらいかかったかを思い出してみるとよいでしょう。部屋を維持するために、月々どのくらいの費用がかかるのかをイメージできるはずです。

実際に運営コストがいくらいくらいかかるのかはケースバイケースですから、まずはランニングコストを試算したうえで、宿泊料金を設定し、稼働率を上げる工夫を絶えず行っていくことが必要です。

清掃やゲスト対応など、ホストが自分でできることはなるべく自分で行うことを徹底することで経費節減になります。

自宅を使うのであれば、費用は極限にまで抑えることができます。しかし、宿泊料金は安くせざるを得ないでしょう。そうなると、収益性では見劣りします。

たとえば、週末に副業としてAirbnbビジネスを始めて、ひとり一泊5000円の宿泊料金に設定したとします。

自宅の一室を週末の一日だけ、ペアのゲストに貸したとして、仮に稼働率100%と想定すると、月換算で、5000円×2人×4日=4万円です。

ここから光熱費や手数料などがひかれます。収益として十分かどうかは、Airbnbの利用目的や個人の価値観によります。

稼働日数や物件の規模によっても、収益は大きく左右されます。月に数十万円以上の売上を出している人もいますので、自分がどのようにAirbnbと付き合っていきたいのかをはっきりとさせることで、運営プランが見えてきます。

また、最近では運営を代行してくれる専門業者も続々と誕生しています。代行業者に依頼をすることで手間は減りますが、その分、運営委託費用は別途かかりますのでコストが上がります。

運営代行業者はノウハウを持っていますので、安心して任せることができるというメリットがあります。投資としての成功のみを考えるのであれば、代行業者に丸投げをしてしまうほうが結果的に効率的かもしれません。

逆に、工夫を凝らした物件情報を掲載したり、ゲストとのふれあいを目的とするなど、収益よりもAirbnbそのものを楽しむという考えかたもあります。

まずは、自分自身がどのようにAirbnbを利用したいのかを明確にすることが求められます。

ゲストが損害を賠償する「保証金制度」

Airbnbを通じて宿泊料金が支払われますので、ホストは決済システムを用意する必要がありませんし、ゲストが部屋を利用したにも関わらず、宿泊料金が未払いになるということはありません。

Airbnbには、「保証金制度」があります。

ホストが抱える大きなリスクのひとつに、ゲストによって部屋が荒らされたり、設備が壊されたりしまうことがあります。

そのようなトラブルに備えて、保証金制度が用意されています。この保証金制度では、ホストからゲストに対して賠償請求をすることができます。

たとえば、ゲストが部屋の鍵をなくしてしまったり、部屋の中の家電や家具を壊してしまった場合などが想定されます。

このような損害が生じた場合には、ホストが修繕費用を負担するのではなく、対象のゲストに対して賠償金を請求することができるのです。

この請求はゲストに対して直接行うのではなく、Airbnbを通じて行います。システム化された手順を踏んでゲストに請求できるので安心です。

ゲストがチェックアウトしてから48時間以内に対してゲストからの損害を受けたことをAirbnbに申告します。この際に請求できる金額は、100ドルから5000ドル(1ドル120円換算で1万2000円から60万円)の範囲内に限られます。

物件情報を登録する際にオプションとして、保証金の上限を設定することになります。また、ゲストは事前に保証金を支払う必要はありません。

カーペットがゲストによって汚されたケースなど、ある程度の軽いトラブルについては、保証金でカバーすることができるでしょう。

大規模な損害を被った場合の「ホスト保証」

では、保証金では補えないほどの大規模損害を被った場合にはどうすればよいのでしょうか。ホストは泣き寝入りするしかないのでしょうか。

Airbnbの保証には、もうひとつの制度があります。それが、「ホスト保証」です。すこしわかりにくいのですが、こちらはゲストではなく、Airbnb自体が補償してくれます。

最高1億円の損害まで補償してくれるとされていますが、「金銭、有価証券、収集品、希少価値のある芸術品、宝石、ペット、対人」及び「老朽化、摩耗」に関する損害は対象外となっているので注意が必要です。

実際に、どのような規模のトラブルに対していくらくらいの補償がなされるのかについては不透明です。

したがって、これらの保証制度をあてにするのではなく、トラブルを未然に防ぐ努力が求められています。

進むルールづくり

ホテルなどの認可を受けた施設以外の個人宅に泊まることを「民泊」と言います。Airbnbは、民泊の仲介サービスです。

実は、この民泊は法律的にはグレーゾーンなのです。どのような問題点があるのかは別のコラムで解説しますが、グレーな部分を取り払う行政の動きが出てきています。つまり、Airbnbの普及を行政が後押ししているとも言えるのです。

2015年10月、大阪府で民泊に関する条例が可決されました。そして同年12月には東京都大田区でも、民泊条例が可決される見込みになっています。

この条例制定によって、グレーであったAirbnbの利用が「合法」になります。ただし、無条件に民泊が合法となるわけではなく、大阪では最低滞在期間が7日間に設定されるなどの条件がつけられていることに注意が必要です。

条例制定がAirbnb利用の促進につながるかといえば、必ずしもそうとは言えないでしょう。最低滞在期間の設定など、実態とはそぐわない面もあるからです。

ただし、基本的なルールづくりは必要ですから、民泊がどんどん促進されるようなルールの策定が期待されています。

行政側も民泊への対応を喫緊の課題として認識しています。その理由のひとつとして、2020年の東京オリンピック開催を前にして、海外旅行客の宿泊需要を取り込みたい思惑があります。

外国人観光客の増加によって宿泊施設が足りなくなっている地域では、宿泊施設の確保のために民泊を利用したいという事情もあります。Airbnbが宿泊施設不足解消の解決策になるかもしれないのです。

ブームの兆し

日本でも徐々にAirbnbが広がっています。主なターゲットは、海外から日本へやってくる観光客です。

ホテルや旅館などとは異なり、日本人が普段利用している個人宅だからこそ、日本での生活文化を肌で感じることができます。日本人にとっては当たり前の生活文化が、外国人にとっては新鮮で楽しいことに感じられるのでしょう。

Airbnbを通じた海外への日本文化の発信も期待されています。だからこそ、行政や政府としても、グレーな部分をなんとか合法化して、この仕組みをうまく活用したいと考えています。

Airbnbが2015年11月26日に発表したデータによると、2010年以降に訪日したゲストは50万人以上、経済波及効果は年間2220億円にも上るということです。しかも、世界の中でも一番早い伸びを見せているのが日本なのだそうです。

それほどまでに猛烈なスピードで、日本におけるAirbnbは存在感を増しています。この数字は、今後ますます伸びていくことでしょう。近い将来、当たり前のようにAirbnbを利用する世の中になっているかもしれません。

日本で民泊文化がどのように広がっていくのか。これからのAirbnbの動向には要注目と言えますね。

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