マンション売却の中でもっとも売るのが難しいのが、「訳ありマンション」や「事故物件」と呼ばれるものです。
過去に自殺や殺人事件の現場となった物件や、火災などで被害者が出てしまった物件など、何かしらの不幸があった物件のことを、「訳あり」や「事故」物件と呼びます。
このような物件は、不動産業者も取り扱うのを嫌がるため、たとえ事故後にリフォームをしたとしても、なかなか売ることができません。
今回は訳あり物件を売却する方法を詳しく解説するので、売れずに困っている人はぜひ参考にしてください。
- 【目次】訳ありマンションを売る方法
確実に売るなら「業者買取」が唯一の選択肢
事件や事故があったマンションを確実に売りたいなら、唯一の選択肢は「業者買取」です。
業者買取とは、一般の個人にマンションを売るのではなく、不動産業者に直接マンションを買い取ってもらう方法です。
一般の個人に売る場合に比べて、売値が約7割程度と低くなってしまいますが、訳あり物件を売る時にはもっとも確率が高い方法です。
そもそも訳あり物件の場合、一般の個人に売ろうとしても問い合わせがほとんどなく、時間の経過とともに大幅な値下げをするしかないケースが多いので、それなら業者買取を選んでも大差はありません。
さらに業者買取の場合、「瑕疵担保責任がない」「数日後には現金化できる」といったメリットがあるので、少しでも早く訳あり物件を手放したい人には最適な方法です。
問題は、業者買取に対応している業者をどうやって探すかですが、こちらの「マンション.navi」というサイトを使えば簡単に探すことが出来ます。
もちろん通常の売却査定も取ることができるので、業者買取を選んだ場合と比べて、どれくらい違いがあるか確認して決めるのもありでしょう。
なぜ訳あり物件でも買い取ってくれるのか?
普通ではなかなか売れない訳あり物件を、なぜ不動産業者が買い取ってくれるかというと、「訳あり物件を専門で買い付ける業者」がいるからです。
このような業者は、訳あり物件を安く仕入れてきて、自社でキレイにリフォームして、また別の業者や個人に対して転売をする…といったビジネスをしています。
販売先に関しても、「安ければ事故物件でも気にしない個人客」や、「自分では住まず賃貸物件として利用したい賃貸オーナー」など、色々なツテを持っています。
このような専門業者だからこそ、訳あり物件でも買取ができるので、普通の個人に対して売却するのはかなり難しいでしょう。
それでも業者買取がイヤで、少しでも高く売却したいと考えるなら、とにかく多数の不動産業者にあたって、買い手を探してもらうしかありません。
先ほど紹介した「マンション.navi」のほかに、査定サイトの大手である「すまいValue」や「HOME4U」などを使って、できる限り幅広く探しましょう。
言い方は悪いですが、訳あり物件や事故物件を売る場合には、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」と思うくらいの覚悟が必要です。
マンション.navi
すまいValue
HOME4U
売れない事情別の対策
事件や事故、火災などのわかりやすい理由の他にも、下記のような事情で「訳あり物件」とみなされてしまうケースもあります。
- 欠陥マンション
- 隣に暴力団の事務所がある
- 隣に風俗の事務所や待機所がある
- 近隣の騒音がすごい
- 自然災害で被害を受ける可能性が高い
- ゴミ屋敷と化している
訳あり物件の理由としては、「物理的瑕疵」や「精神的瑕疵」、「環境的瑕疵」などがあります。
※「瑕疵(かし)」とは「欠点」や「きず」という意味です。
欠陥マンションのような物理的瑕疵の場合は、お金をかければ修繕することもできますが、殺人事件があった部屋のように精神的瑕疵の場合は、残念ですが対策のしようがありません。
環境的瑕疵に関しても、修繕費を出すことで改善できる場合もありますが、それが多額になってしまうのであれば、最初から業者買取で売ってしまった方がお得な可能性があります。
事件や事故があった部屋はどうすればいい?
訳あり物件で一番多いのが「事件や事故があった部屋」ですが、これは対策するのが困難な「精神的瑕疵」にあたるので、やはり業者買取を利用するのがベストです。
それ以外はこれといった方法がないので、先ほど書いたように、とにかくたくさんの業者をあたって買い手を探すしかありません。
「事故があったことを隠して売却すれば…」と考える人もいますが、万が一バレた時に大問題になるのでやめましょう。
ゴミ屋敷化している場合はどすうればいい?
最近増えているのが、ゴミ屋敷化したマンションの売却問題です。
ゴミ屋敷の場合、ゴミさえ撤去すれば大丈夫だと思うかもしれませんが、それは間違いです。
なぜかというと、ゴミ屋敷となっている物件のほとんどが、壁や床、設備などの物件内部までダメージが及んでいるからです。
もし直そうと思ったら、ゴミの撤去費用に加えて、傷んでしまった箇所の修繕費も必要なので、予想よりも多額のお金がかかります。
「ゴミの撤去費用+修繕費」を負担するくらいであれば、業者買取で売却してしまった方がお得かもしれないので、このケースでも両方の査定を比べてみるのがベストです。
ゴミ屋敷化していた期間が長ければ長いほど、壁や床などが傷んでいるので、多額の費用になる可能性があります。
少しでも高く売るためには
訳あり物件であっても、売主としては少しでも高く売りたいはずです。
できることは限られていますが、一つの提案として、「買取保証制度」を検討してみるのはありだと思います。
買取保証制度とは
買取保証制度とは、一定期間は通常の売却活動を行い、それでも買い手がみつからないときは、最終手段として業者買取をするというやり方のことです。
このケースでは、通常の売却査定と一緒に、買い取りの査定額も最初に出しておきます。
二段構えの売却なので、最悪でも業者の買取価格で売れるのがメリットですが、買取保証に対応した業者はあまり多くありません。
上手な見つけ方としては、「マンション.navi」や「HOME4U」のように、提携している業者の数が多い、大手の一括査定サイトを使います。
そして査定を申し込む際に、「買取保証の査定も同時に出してくれる業者を希望」と書いておけば、かなり見つけやすくなるはずです。
それでも絶対に見つかるわけではないので、対応している業者がいない場合は、素直に業者買取を検討するのがベターだと思います。
とにかくたくさんの業者に当たってみるしかない
今回解説したように、訳あり物件や事故物件を売却するのは、率直に言ってかなり大変です。
1年経過しても売れないケースだってたくさんあるので、業者買取という選択肢はぜひ覚えておいてください。
その他で効果的な対策と呼べるものはほとんどないので、訳あり物件を売却したければ、とにかく手あたり次第たくさんの業者に声をかけて、買主を探してもらうしかありません。
まずは今回紹介した3つのサイトを使って業者を探してみて、半年経ってもまだ売れていなければ、もう一度一括査定からやり直すくらいの覚悟で買主を探しましょう。
マンション.navi
マンション.naviは、その名の通りマンションの仲介に特化しているサイトで、業界内では老舗のサービスとしてかなり有名です。
運営歴が長いので、住友不動産販売、野村の仲介+、ピタットハウス、三井のリハウス、みずほ不動産販売など、大手の不動産業者と提携しているのはもちろんのこと、地元密着型の小さいな不動産業者にも強いのが特徴です。
戸建て、マンション、土地などをまとめて扱う大手サイトと比較すると、マンション.naviの方がより専門的なサービスになっているので、マンションを売るなら絶対外せないサイトです。
またマンション.naviの場合、「売却」だけではなく、業者による「買取」の査定金額や、一時的に「賃貸」として貸したい場合の相談などもできます。
大手に比べると知名度は落ちますが、訳あり物件の売却や、マンションを貸すのか売るのかで悩んだ場合には、ぜひ利用したいサイトです。
すまいValue
すまいValueは、不動産会社の大手6社に厳選して査定や相談ができるサービスです。
登録されている不動産会社は、東急リバブル・三菱地所ハウスネット・野村の仲介PLUS・住友不動産販売・三井不動産リアルティ・小田急不動産の6社で、他の一括査定サイトに登録されていない大手も登録されています。
6社に厳選されていることで、査定後の営業の連絡も少ないのもいいですし、なにより大手ですので過去の実績がしっかりとあるので安心して利用できます。
高く早く売るためには不動産会社のネームバリューも大事です。信頼できる仲介業者に依頼したいという方や、初めて一括査定を利用する方は「すまいValue」がおすすめです。
HOME4U
「HOME4U」は、NTTデータが運営する国内最大級の不動産情報サイトです。不動産の一括査定サイトとしては最大手の一つで、今までの利用者数は約550万人以上と、豊富な実績を持っています。
東急リバブル、野村の仲介+、三菱UFJ不動産販売、三井住友トラスト不動産、阪急不動産、みずほ不動産販売、Century21など、大手の不動産業者はほとんどカバーしているので、これからマンションを売却したいと考えている人におすすめのサイトです。
もちろん、大手以外の地域密着型の不動産業者も多数参加していて、全国900社の業者の中から、最大6社にまとめて査定依頼ができます。
運営元もNTTデータという大企業で、過去の実績・経験も豊富なので、信頼性が高く安心して使えるサイトです。