どうする「負動産」物件?売れない家の処分と再活用の可否

どうする「負動産」物件?売れない家の処分と再活用の可否

「売りたくても買い手がいない」「貸したくても借り手がいない」。このような『負動産』を抱えて悩む人が増えています。

負動産の多くは、所有者が望んで購入したものではなく、相続などによって半ば強制的に所有することになったケースがほとんどです。

今回は負動産の処分方法や活用法について考えていきたいと思います。

ココに注意!負動産物件の特徴

毎年5月頃になると、いろいろ雑誌やサイトで特集されるのが「負動産」についてです。

この季節になると毎年、自宅に固定資産税の納付書が届くので、負動産について考える人が多くなる時期なのでしょう。

負動産というのは「売れない」「貸せない」「事業活用もできない」家や土地のことをいいます。

  • 相続した農地や山林
  • 人里はなれた場所にある実家
  • 管理費や修繕費が高い、築年数が古いリゾートマンション
  • 調整区域や危険区域にある実家や土地
  • 築50年以上の借り手もない古いアパート

このように収入を生みだすこともなく、維持費や固定資産税などの出費ばかりがかさむことから「負動産」と呼ばれるようになりました。

負動産

これらの負動産の多くは、相続によって所有してしまうケースが大半を占めています。

アパートだから家賃収入が期待できる、広い土地だから駐車場や資材置き場にすれば賃料が入ってくるなど、安易な考えで相続してしまうと大変な負担を強いられることにもなります。

今回は「負動産」と呼ばれる家や土地について、すでに所有してしまっている際の処分方法、これから相続しそうな場合の対策について解説していきます。

すでに所有している負動産を処分する方法

いま現在、負動産を所有している場合、どのように処分すればよいのでしょうか。

負動産ですので、普通の不動産仲介では買い手が見つかる可能性は極めて低いと思います。

そこで検討しておきたいが、以下の3つの方法です。

  • 買取業者に相談する
  • 自治体が運営する空き家バンクに登録する
  • 寄付先を探す

買取専門業者の中で扱ってくれるところ探す

一般的な不動産仲介で買い手が現れないのであれば、買取専門の業者に相談してみるのが一番手っ取り早く、手間もかかりません。

タダ同然でも良いので、引き取ってくれる業者がみつかればラッキーです。

と言っても1社ずつ相談するのは手間がかかるので、「マンション.navi」や「いえカツLIFE」のような買取業者が見つかる一括査定サイトを利用して、効率よくを探すのがポイントです。

買取業者が見つかる一括査定サイトはこちら

空き家バンクに登録する

「空き家バンク」という、各自治体が管理運営している不動産仲介サービスがあります。

以下の京都府の久御山町から引用した画像ですが、他の自治体でも同じようなサービスを行っている場合があります。

久御山町空き家バンク

出典:http://www.town.kumiyama.lg.jp/contents_detail.php?frmId=2662

全国の空き家バンクをみても、登録されている物件の多くは、山奥だったり、築年数が古い物件が大半を占めています。

その分、かなりお手頃な価格帯の物件が多く、移住者や田舎暮らしを希望する人からのニーズが高く、普通の不動産仲介よりも売れやすい傾向にあります。

寄付先を探す

不要な不動産の処分方法として、自治体などへの「寄付」を紹介しているのを目にしますが、不動産の寄付がスムーズにいくケースは稀です。

寄付された土地は、公園や公民館など設立に使われるようなので、よほど立地が良くないと受け付けてもらえないと思います。

不動産の寄付については、別記事の「不要な家の処分方法」でも、詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

負動産になりそうな物件を相続してしまいそうな時

相続は専門的な知識が必要で、難しいと感じる部分も多いかと思いますが、負動産を相続しないためには、多少の知識を身につけておくことも必要です。

ここからは負動産を相続しないための対策について、いくつか紹介していきたいと思います。

相続前に必ず物件の価値を調べておくこと

相続する不動産がある場合、事前に負動産なのか価値を確認しておくことから始めましょう。

自分たちが負動産だと思っていても、実は価値があるのかもしれません。

すまいValue」や「HOME4U」などの一括査定サイトなどを利用すれば、現在どれくらいの価値があるのか簡単に調べることができるので、ぜひチェックしておきましょう。

ただし、現在プラスの査定であっても、相続する頃にはマイナスになっていることも想定されます。

将来的に住む予定が無ければ、売却できる今のうちに処分しておくことをおすすめします。

相続放棄の仕組みを理解しておく

相続放棄をするには、最低限の仕組みだけでも理解しておくことが大事です。

相続放棄

出典m:https://www.sumirin-ht.co.jp/oyakudachi/money/005381.html

相続放棄する際の流れは、上記のようになりますが、注意しなければいけないのが、「3か月以内」という期限があるという点です。

ちなみに「相続の開始」は死亡したことを知った日で、実際に亡くなった日ではありません。

例えば離婚により父親と疎遠になっており、連絡も全然とってない状況で、突然負動産を相続してしまうケースもあります。

このとき死亡して半年が過ぎていたとしても、役所から届く固定資産税の納付書で父親が死亡したことを知った場合、その日から3ヶ月以内であれば相続放棄の手続きをすることができます。

相続放棄については、「土地の寄付や相続放棄の手順」で詳しく解説しているので、参考にしてもらえばと思います。

原野商法の二次被害に合わないよう注意

皆さんの親世代に中には、「原野商法」の被害にあわれた人もいるかと思います。

原野商法とは、将来的に高速道路ができるなどと騙され、まったく価値のない山林などの不動産を購入させる詐欺のことをいいます。

これらの土地は不動産としての価値も低く、固定資産税が免除されているケースも多いため、名義人になっている親世代も所有していることを忘れてしまっていることが珍しくありません。

そのため何も知らないまま、子供たちが相続してしまうケースが発生しています。

そこに目をつけた詐欺グループが、新たな原野商法詐欺を持ちかけてくるので注意しましょう。

当社で太陽光発電ビジネスを計画しており、あなたが相続した山林を500万で購入したい!

このような話をもちかけ、測量費やコンサル料という名目でお金を騙し取るのです。これらを原野商法の二次被害といいます。

被害にあわないためには、自分一人で判断せず、家族や周りの人に相談して決めるようにしてください。

原野商法

出典:https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/center/campaign/kourei.html

リゾートマンションの現状を知っておこう

バブル期に購入したリゾートマンションが大暴落し、負債をかかえた状況で所有し続けている親世代もいるかと思います。

実際に築30年近いリゾートマンションは、数十万円で売り出ししているにも関わらず、なかなか買い手が現れない状態です。

売れないなら相続して住んでみようかなと考える人もいるかと思いますが、生活するにはかなり厳しい環境となります。

リゾート地は別荘などには適しているのですが、実際に日常生活するには不便で買い手もほとんどありません。

また、高齢者が多く住んでいるリゾートマンションもあり、まるで老人ホームのようになっているところもあります。

実際に相続するリゾートマンションがどのような状況なのか、どんなメリットやデメリットがあるのかなど、しっかりと調査をしておくようにしましょう。

もし、このようなリゾートマンションを相続する可能性があるのなら、「マンション.navi」のような地元密着型の小さな不動産業者にも強い一括査定サービスを活用してみてください。

全国すみずみまで網羅しているので、対応してくれる業者が見つかるかもしれません。

売れない負動産を放置するリスク

売れない、貸せない負動産は、お金ばかりがかかり、所有していても何のメリットもありません。

売れないからといって放置しておくと、金銭面だけでなく、その他にもさまざまなリスクを抱える可能性があるので、タダ同然でも良いので早く処分してしまうことを最優先に考えましょう。

さまざまな維持費用がかかる

空き家や土地を所有していると、毎年固定資産税などの税金を支払わなければなりません。

これだけでもかなり痛い出費なのですが、その他にもさまざまな出費を覚悟しておく必要があります。

項目 内容
固定資産税 不動産を所有していると必ず納めなければならない税金。一般的には市区町村が定めた固定資産税評価額1.4%
都市計画税 市街化区域に所在する土地・建物を対象とする税金。一般的には固定資産税評価額の0.3%
水道光熱費 電気・水道の契約をそのままにしていると、使用していなくても基本料金が発生する
火災保険料 保険の補償内容や契約期間、建物の構造や立地、築年数で異なる。年間数万円から数十万円になる場合もある
修繕費用 建物が老朽化すると様々な不具合が発生。業者に修繕を依頼する必要あり。費用は修繕の内容によって異なる

例えば水道や電気は使用しなくても、契約しているだけで基本料金がかかりますし、万が一のために火災保険も必要です。

そして一番面倒なのが、庭木などの手入れでしょう。

自分で手入れするにしても時間がかかりますし、業者に委託すれば当然その費用も必要になります。

空き家の維持管理については「空き家を維持管理する際の費用」で、詳しく解説しているので参考にしてみてください。

倒壊や火災などによって損害賠償を受けることも

空き家を放置したままにしておけば、さまざまなリスクを抱えているのと同じです。例えば放火など、不審火のターゲットにされやすいことです。

恐ろしいことに国内の火災原因の1位は「放火」によるものです。

さらに建物の老朽化により、倒壊して隣の建物に損害を与えたり、通行人にケガを負わせる可能性だってあります。

最悪のケースだと、通学路にある建物が倒壊し、小学生が亡くなってしまったと仮定した場合、所有者への損害賠償額は5,000万~1億円になることだってあります。

負動産を活用する方法はあるのか?

売りたくても売れない負動産は、所有しているだけでも出費はかかるし、リスクも背負うことになります。

それならば、「何か活用できる方法は無いのか」と考える人も多いのですが、なかなか厳しいのが現状です。

ただし、少なからず負動産の活用に成功した人いるので、参考までにいくつかの例を紹介していきたいと思います。

デイサービスなどの介護施設

介護施設

デイサービスなどの介護施設が増えていますが、古民家などを借りて経営している業者も多いです。

そうした施設に狙いを絞って入居者の募集をするのも1つの方法だと思います。

とくに「駐車スペースが多く取れる」、「自由にリフォーム可」といった古民家は、介護施設では需要も大きいので、そうしたことをアピールした募集広告を出すように心がけてみましょう。

資材置き場

資材置き場

多少山奥だったりしても、資材置き場として賃貸で借りてもらえる可能性があります。

可能性としては造園業、木材系、解体業などがターゲットになると思います。

広い土地だから賃料などを期待せず、固定資産税分くらいの収入があれば良しとすれば、借り手のニーズも増えると思います。

太陽光発電事業

太陽光発電事業

日当たりが良い土地なら、太陽光発電ビジネスという活用方もあります。

自分で太陽光ビジネスをやるのも良いですし、そういった専門の業者に土地貸しをするという選択視もあります。

無料で土地の視察や見積もりをしてもらうことができるので、ダメ元で一度相談してみるのも良いのではないでしょうか。

太陽光発電に関しては別記事の「太陽光発電の価格と補助金」で詳しく解説しています。

キャンプ場やグランピング施設

キャンプ場

最近のキャンプブームに乗じてキャンプ場やグランピング施設をターゲットにするのも可能性としては悪くありません。

なかには自分だけのキャンプ場が欲しいと、格安の山林を購入する人もいるくらいです。

グランピング施設というのは、最近の造語でグラマラス(魅惑的な)とキャンピングを掛け合わせた言葉です。

わかりやすく言うと、ちょっとリッチな感じのキャンプ場だと思ってください。

このようにキャンプ場としてなら、かなり山奥の土地でも重要があります。

負動産に関する疑問やよくある悩み

ここからは今回紹介しきれなかった負動産に関する疑問や悩みについて、まとめて紹介していきたいと思います。

古いアパートを負動産にしないための工夫は?

築40年を超えるアパートなどを将来的に相続する可能性があるのでしたら、なるべく早めに対策をしておくようにしましょう。

一番理想なのは、負動産になる前に売却してしまうことです。

今は良くても、近い将来「負動産」になり、修繕費など維持するだけでも大変になります。

売却するコツとしては、なるべく多くの入居者がいる段階で売りに出すことです。

6世帯中2部屋しか入居者がいないのと、4部屋入居者がいるのでは買い手側の印象も全然違ってきます。

古いアパートなどで入居者を確保するには、「DIY可能物件」や「フリーレント」にするなどの方法があります。

とくに昨今はDIYが流行っているので、部屋の中を自由にDIYして良いといえば、興味をもってくれる人も多いのではないでしょうか。

生産緑地法の2022年問題って何ですか?

1992年に発布された「生産緑地法」とは、30年は農地・緑地として土地を維持することを条件に固定資産税などの優遇措置を受けることができる制度のことです。

その制度が2022年に終了することで、税の負担が一気に増すことになります。

結果、売りに出される不動産が増えることで、不動産価値が暴落することも懸念されています。

まとめ

負動産は所有しているだけで、維持費や固定資産税などの出費がかかってしまいます。

負動産の多くは、相続によって所有するケースが多くなっているので、できるだけ早い段階で、負動産の相続の有無を確認しておくと良いでしょう。

もし相続しそうな場合は予め知識を身につけることで、負動産の所有を回避することもできます。

万が一、負動産を所有してしまった場合は、タダ同然でもいいので、なるべく早く手放すことが大事になります。