家の売却理由をどう伝えるか?買主の印象を良くする伝え方

家の売却理由をどう伝えるか?買主の印象を良くする伝え方

家を売却する際に、買主から売却理由を聞かれるケースがありますが、理由によっては買主に悪い印象を与えてしまいます。

しかし理由を売主に隠したまま、または嘘をついて売却した場合、告知義務違反となり損害賠償などのトラブルに発展する可能性が考えられます。

告知すべき内容を理解しておき、売却理由はしっかりと不動産業者に伝えてください。業者との信頼関係を築くことで買主に良い印象を与ることができ、スムーズに家を売却することができるでしょう。

【目次】家の売却理由を伝える際のポイント
  1. 買主に悪い印象を与える家の売却理由について
  2. 売却理由を伝える際の注意点
    1. 伝えるべき範囲を理解しておく
    2. 絶対に嘘はつかないこと
    3. 売主が認識してない欠陥はどうなる?
  3. 買主に影響のない売却理由について
  4. 営業マン時代の売却体験談
  5. まとめ

買主に悪い印象を与える家の売却理由について

  • マイホームに欠陥がある
  • 学校やスーパーが遠く、生活環境が悪い
  • 近隣トラブルや地域住民と馴染めない
  • 騒音の問題に悩まされている

上記のような理由は購入希望者に悪い印象を与えてしまいます。マイホームを売却する場合、どこまで買主に事実を伝えるかがポイントになります。

マイホームに欠陥がある

一番難しいのが欠陥問題だと思います。これは人によって捉え方が大きく違ってくるからです。ただし、家が傾いてる、雨漏りしている、シロアリ被害がなどは、誰にとっても明確な欠陥は正直に話しておく必要があります。

しかし結露がひどい、耐震性能が低いというのは、建物そのものの欠陥ではなく、家を建てた年代などによっての仕様なので、無理に伝える必要はありません。

学校やスーパーが遠く、生活環境が悪い

地図を見れば分かる内容なので伝える必要はありませんが、あまり生活環境が整っていない地域での売却を考えているのであれば、独自に生活マップなどを作成しておき、生活しやすい印象を与えてあげるようにしましょう。

近隣トラブルや地域住民と馴染めない

近所付き合いが煩わしくなりマイホームを売却する人も多いです。また町内会の集まりや役員などの行事ごとが嫌で引っ越しをする人もいます。しかし、これらの理由を悪い印象と捉えるかは人次第なので、原則伝える必要はありません。

ただし、トラブルが警察沙汰になり明確になっている場合は、売主に伝える必要があります。

騒音の問題に悩まされている

マンションと違い戸建ては騒音問題による売却は極端に少なくなります。それでも隣近所からの騒音に耐えれず売却するケースもあります。

ただし騒音による売却というのは、住む人の捉え方にもよる部分が大きいので、どれくらいの騒音なのかによって買主に伝えるかどうか決めるようにしましょう。

売却理由を伝える際の注意点

内覧会時など購入希望者と実際に顔を合わせた際に、家の売却理由は必ず聞かれると思ってください。

悪い印象を与えない理由であればもちろんそのまま正直に伝えても大丈夫ですが、少し言いにくいような理由であれば、他の理由と組み合わせるなどして言い方を変えて工夫して伝えるのがポイントです。

それでは、次に売却理由の伝えるべき範囲と実際の対応方法などについて詳しく説明していきます。

伝えるべき範囲を理解しておく

購入希望者が不安になったり不快を感じるような内容(※瑕疵と言う)は、宅地建物取引業法で事前に告知することが義務付けられています。

その物件で自殺者がでた、事件が起きたなどといった内容は「心理的瑕疵」として、欠陥住宅やシロアリ被害などといった内容は「物理的瑕疵」として、どちらも必ず事前に説明することが法律で決められています。

隠したまま売却することは絶対にできませんし、してはならないことだと認識しておきましょう。

ただし、近隣トラブルや生活環境などの問題については、絶対に買主に伝えなければいけないという決まりはありません。特に、近隣トラブルに関しては、「個人的な事情」であることが多く、売主や買主の価値観によって捉え方が変わってきます。

その内容が、買主に伝えるべき内容かどうかは第三者である不動産業者に確認して、客観的な意見を聞いたうえで判断するのが良いでしょう。

例えば、売主であるあなたがきっかけ(飼い犬の鳴き声など)で近所の方とトラブルになった場合は、必ず売主に伝えなければいけない内容ではありません。

また、自分だけが近所の方と馴染めない、などといった場合も、たまたま近所の方たちと売主であるあなたの相性が悪かったことが原因ということも考えられます。しかし、警察を介入するようなレベルのトラブルであれば、不動産業者に事前に伝えた方が良いでしょう。

最近では、単身者がファミリータイプのマンションを購入するケースも多くなっており、近所付き合いをほとんどしない傾向にあるため、近隣トラブルをそこまで気にすることなく購入してくれる場合もあります。

また、売却をする際には、不動産業者を通じて、物件の状態を購入希望者に伝えられる機会が設けられます。その際に必要になる書類が「物件状況確認書」(告知書)と呼ばれるもので、仲介業者から受け取り売主が記入します。

書式は物件会社により様々ですが、内容はほとんど同じで、基本的には雨漏りやシロアリ被害などの物件の状況や周辺環境の情報などについて、過去に問題があったかどうかの有無などをチェックして記入するわかりやすくシンプルなタイプのものです。

もしも、物件や周辺環境に問題がある場合は、事前に業者に相談し必ず告知書に記入するようにしましょう。

ここで告知義務のある瑕疵を意図的に隠して記入しなかった場合、後から訴訟などの深刻な問題が発生する可能性がありますので必ず記入しましょう。

この告知書に記載された内容は、不動産業者から購入希望者に伝えられるため売主が直接説明する必要はありません。ただし、内覧で顔を合わせた際に購入希望者からいろいろな質問を受ける可能性はあるので、スムーズに答えられるように事前に準備をしておきましょう。

更に、告知書に万が一マイナスになるような内容があれば、それをフォローできるような回答を考えておくといい印象を与えるきっかけにもなります。

絶対に嘘はつかないこと

売却理由を正直に伝えることで、購入希望者が購入をやめてしまう可能性はもちろん考えられますが、もしも瑕疵を意図的に隠した状態で売却をしてしまうと、訴訟を起こされ損害賠償金を請求されることもあります。

そうなると今後の生活にも支障をきたすので、絶対に嘘はつかないようにしましょう。

曖昧な受け答えをしても、疑われる原因になります。「売れなかったら大変だし…」「売却金額が下がるのは嫌だ」などといった理由で万が一告知義務を怠たると、必ず後からトラブルになります。

また、告知しなければいけないことがあるにも関わらず、不動産業者にも伝えていなかった場合、業者が売主を味方しなくなることも考えられます。

自分が売却する理由は購入希望者に告知しなければならないのか、なかなか判断が付きにくいと思いますが、自分の身を守るためにも、事前に不動産業者には気になることは伝え、しっかり打ち合わせを行っておくことが今後のトラブルを防ぐポイントになります。

売主が認識してない欠陥はどうなる?

これまでは売主が認識している瑕疵について話をしてきましたが、売主が家の欠陥をすべて認識しているとは限りません。

例えばシロアリ被害などが良い例です。売主は自宅がシロアリの被害を受けている事実を知らないことが多いです。いざ売却した後になって買主から「シロアリ被害がある」と報告を受けることもあります。

さてこの場合どうなるのでしょう。

これも当然売主が責任を負うことになります。基本的に瑕疵というのは、売主も知り得なかった欠陥のことをいいます。ですので、シロアリ被害があることを知らずに売却しても、これは売主に非があるとして、修繕などに掛かる費用は売主の負担になることを認識しておきましょう。

ちなみにシロアリ被害があることを知っていながら、その事実を隠して売却することは瑕疵ではなく、詐欺として訴えられるリスクがあるので絶対に止めましょう。

買主に影響のない売却理由について

買主

  • 転勤や引っ越しによる売却
  • 子供の成長や独立など、広さの問題
  • 実家など、相続による売却
  • 高齢になり子どもたちと同居するための売却
  • 親の介護
  • マンションと戸建ての住み替え
  • 収入が増えたことによる買い替え
  • 離婚による売却
  • 住宅ローンの返済が困難になり売却

上記のような理由でマイホームの売却を考えている場合は、購入希望者に売却理由を聞かれたとしてもそのまま正直に答えて問題はないでしょう。しかし、中には離婚や住宅ローンなどの問題を嫌がる購入希望者もいますし、売主だって離婚や支払い滞納が理由だとは言いたくもないでしょう。

次の項目では、上記の二つをどう伝えたら良いのかも含め、伝える際のポイントについて説明していきます。

買主に理由を伝える際のポイント

離婚や住宅ローンの返済などといった内容は、少し言いづらいこともありますよね。

そういった場合は、「家庭の事情で…」などと誤魔化しておき、後から不動産業者の担当者からこっそり購入希望者に伝えるような形をとっても大丈夫です。

また、「経済的な理由で」や「家族構成が変わったので」などといった伝え方をしてもそこまで悪い印象にはならないでしょう。

離婚や住宅ローン問題などを嫌がる方もいますが、正直に伝えれば購入希望者も理解してくれる場合が多く、そこまで気になるような理由ではありません。それに値引き交渉の材料にされてしまうような内容でもありませんので、あまり深く考える必要はないと思います。

ご近所トラブルに関しては先ほども説明した通り、様々なケースが考えられますが、周辺環境のデメリットなどの場合は、買主によってはメリットになることも考えられます。

例えば、「近くにコンビニや飲食店があって夜中も明るく、うるさいときもあって落ち着かない」という人もいれば、「コンビニなど飲食店が近くにあると便利」だと思う人や、「人も多いし明るくて安心する」と思うような人もいます。

考え方ひとつで、デメリットもメリットになる場合もありますので、うまく工夫して表現方法を変えてみるのも良いでしょう。

営業マン時代の売却体験談

営業マンだった時代、実際に体験した売却理由に関係している事案をいくつか紹介していきます。

多重債務により住宅ローンの返済が困難になった

売主が借金をつくり、住宅ローンの返済が難しくなったためマイホームの売却相談に来られた夫婦がいました。住宅ローンの返済が困難になったことで売却するのですが、恥ずかしいので売却理由は伏せてほしいとお願いされました。

しかし、内覧をしても売却理由を話せないので、購入希望者は「自殺でもあったのでは?」や「殺人事件でもあったの?」と不安を抱えてしまい、結果的に購入見送りとなるケースが相次ぎました。

必要以上に売却理由を伏せるのは、購入希望者の不安を煽る結果となることも売主側が理解しておかなければなりません。

実家売却時の問題

他県に住む息子夫婦より、両親が他界したため実家の売却相談を頂きました。

息子夫婦の意向により、物件内の家財道具一式は売買成立後に撤去することになったのですが、物件案内をしても家財道具が残っていることで、生活感を感じ怖がるお客さんが続出しました。

たしかに縁側に置いてあった「ロッキングチェアー」を見たときには、誰も座っていないのに、ゆらゆらと揺れ始めそうな怖い印象を持ちました。もちろん、息子夫婦に事情を説明し、早急に家屋内の家財道具を撤去してもらい無事に売却することができました。

庭にある使途不明の井戸

実家で一人暮らしをしていた母親が高齢のため、介護施設に入居することになり、実家の売却相談を息子さんから受けました。その物件の庭には、今は使われていない井戸があったのですが、内覧者の多くがこの井戸を不気味がり、なかなか売却がきまりませんでした。

息子さんに尋ねても「自分が物心ついた時からある井戸で、なんの目的の井戸なのかは不明」だということでした。結局「使途不明な井戸」という存在が売却の障害となり、連続4組の内覧者から断りを受けることになりました。

そんなある日、息子さんから連絡があり、母親に尋ねたところ「父親が畑仕事をするために業者に依頼して掘った井戸」であることが判明しました。その後、以前内覧済みだった4組の方に連絡をし、無事そのうちの1組が購入することになりました。

まとめ

売却をする際の理由は人それぞれで、正直に伝えるべき内容かどうか基準がとても難しい場合もありますが、売却時のトラブルだけは絶対に避けたいですよね。

告知義務のある瑕疵については告知書に必ず事実を記入する必要がありますが、伝えるべき内容か迷うような場合については、必ず第三者である不動産業者に相談して最終的に判断してもらうようにしましょう。

「購入希望者にどこまで正直に売却理由を話すのか?」ということを知っておくことが重要なポイントです。はじめに、業者の担当者としっかり打ち合わせをして決めておき、万全の態勢で購入希望者を迎えましょう。

家を売るなら必ず知っておきたいチェックポイント

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