子どもの学校に関する手続き

子供のいる家庭では、引っ越しに伴って子供たちに関わる手続きも必要になります。
学校の手続きはもちろんのこと、引越し後の学校生活のケアまで、やるべきことは盛りだくさん。
子供のためにも忘れずに、きちんと手続きしてあげましょう。

幼稚園・保育園の転園手続き

子供が幼稚園や保育園に通っている場合、引っ越しに伴い転園をすることになります。
幼稚園や保育園は義務教育ではないので、転園は思った以上に大変。
引越しが決まったらすぐにでも手続きを始めていきましょう。

幼稚園の転園手続き

私立の幼稚園は、定員が決まっています。
そのため新居の最寄りの幼稚園だとしても、転園できると限りません。

引越しが決まったら、まず行うのは新しい幼稚園探し。
新居の近くで定員が空いている幼稚園を探します。
子供の多い地域では、なかなか空きが見つからない場合もあるので、できるだけ早く探し始めましょう。

次に現在通っている幼稚園に連絡して、引越しする旨を伝えます。
すると幼稚園から「在園証明書」が発行されるので、新しい幼稚園に入園願書と一緒に提出します。
引越し後すぐに通い始めることができるように、書類の提出も早めに行うようにしましょう。

保育園の転園手続き

保育園の転園は、幼稚園以上に大変です。
手続きとしては、引越し先の役所に届け出るだけなのですが、問題は空いているかどうかです。
最近では保育園不足で待機児童が溢れている状況なので、引越し後すぐに希望の保育園に通えるというわけではありません。

場合によっては、新居から離れた保育園になってしまったり、無認可のの保育所を利用するということも考える必要があります。
どちらにせよ、早めに探し始めることが大切なので、引越しが決まったらすぐに保育園探しを始めましょう。

小中学校の転校手続き

子供が小中学校に通っている場合、転校手続きが必要となります。
小中学校は義務教育なので、公立の小中学校であれば、入れないということはありません。
ただし手続きには時間がかかるので、余裕をもって始める必要があります。

引越しが決まったら、まずは現在通っている小中学校に申し出て、在学証明書と教科書給与証明書を発行してもらいます。
そしてその書類を持って、今度は新居の管轄の役所に届け出ます。
役所で手続きをすると、転入学通知書が発行され、次に通う学校が教えてもらえるのです。

次に、新しい学校に電話連絡をします。
直接訪ねてもいいのですが、学校側の都合もあるので、できるだけ電話でアポイントを取ってから、手続きに伺うようにしましょう。
新しい学校に必要な書類を提出すれば、転校手続きは完了です。

高校の転校手続き

高校は小中学校とは違い、義務教育ではありません。
ですから公立・私立に関わらず、手続きのみでは転校ができないのです。
ではどのように転校するのか、公立と私立それぞれの方法を見ていきましょう。

公立高校の転校方法

公立高校への転校にはいくつか条件があります。
まず定員に空きがあるかどうかという点です。
どれだけ成績優秀でも、定員が空いていなければ転校することはできません。

次に学年です。
基本的に高校の転校は2年生までと定めている学校が多くあります。
3年生になってからの転校は受け入れてもらえない可能性が高いので注意が必要です。

最後に学力です。
その高校にふさわしいだけの学力があるかどうか、編入試験によって試されます。
これらの条件を満たしていれば、転校は可能です。

転校の手順としては、まず現在の学校に連絡して、在学証明書・成績証明書など、必要な書類を発行してもらいます。
次に希望する高校に連絡をして、転校が可能かどうかを確認。可能であれば書類を提出して編入試験を受けさせてもらいます。

公立高校は空きが少なく、希望の高校に転校できないこともあります。
引越しの際は、このことを念頭に新しい高校探しを早めに始めることが大切です。

私立高校の転校方法

私立高校の場合は、まず都道府県私学協会に連絡することから始めます。
私立の高校も、転校を受け付けている学校と受け付けていない学校があります。
一校一校確認するのは大変なので、都道府県私学協会に連絡して、転校が可能な学校を教えてもらいます。

後は公立高校の手続きと同じ流れで、現在の高校に連絡して必要書類を発行してもらい、新しい学校で編入試験を受けさせてもらいます。
試験に合格し、必要書類を提出すれば、転校は完了です。

ただし私立の高校の場合は、学費に関して注意が必要です。
公立の高校とは違い、私立の高校は学費が高額になります。
転校前に学費を確認しておかなければ、のちに大変なことになってしまうかもしれません。

特に今まで公立の高校に通っていたので、引越し後も公立の高校を探していたけれど、定員が一杯で仕方なく私立にしたという場合、今までの学費よりもかなり高くなってしまいます。
家計に関わる問題なので、しっかりと確認の上、転校手続きを進めるようにしましょう。

新居から学校までの道順を確認しよう

転校に関する問題は、手続きだけではありません。
引越しすれば、子供たちは見知らぬ土地で通学をすることになります。
大人とは違って判断能力も発達していない子供たちは、不安で一杯になってしまいます。
そこで転校手続きを終わらせたら、今度は新居から学校までの通学路を確認してみましょう。

通学路で危険な場所はないか、街頭の少ない暗い道はないかなど、実際に通学路を通って確認をしてみるのです。
できれば子供たちも一緒に確認すると、より効果的です。

また通学路だけでなく、公園や近所のコンビニ、文具店や駄菓子屋など、子供が利用する施設を確認しておくのも大切です。
一人で遊びに行く場所に危険はないか、人通りは多いかなど、安全確認を怠らないようにしましょう。

精神面のケアも忘れないで

大人の都合で引越しをするとき、子供たちはどうしても精神的なストレスを感じてしまいます。
今まで仲の良かった友達とも離れてしまいますし、通いなれた学校ではなく、見知らぬ学校に通うことになるのですから当然です。

そこで子供の精神面もケアしてあげることが大切です。
まず引越しが楽しいものだという認識を持たせることから始めましょう。

「お友達と会えなくなってさみしいね」
「新しい学校になるから不安だね」
などネガティブな発言は避け、

「新しいお友達ができるの楽しみだね」
「新しい学校はどんなところかな」
など、ポジティブで希望を持たせる言葉をかけてあげます。

さらに、引越し前から引越し先を訪れ、近隣の様子を一緒に見て回ることも大切です。
近所の公園やデパート、新しい学校など、あらかじめ一緒に見てあげることで、子供の不安は減少します。

また引越し後は子供の様子を注意深く観察しましょう。
子供はストレスを感じると、必ず行動に出ます。
おかしな言動はないか、不安を感じている素振りはないかなど、しっかりと目を光らせてあげましょう。

引越しで忙しいかもしれませんが、子供たちの幸せのために、できるだけ子供との時間を持つように心がけてください。