マンションの査定価格はどうやって決められるのか

今回はマンションの査定価格がどのようにして決められているのかについて、解りやすく解説していきたいと思います。

不動産の査定算出方法として一般的に使用されているのは、

  • 原価法
  • 収益還元法
  • 取引事例比較法

の3つです。
この3つについて、不動産の知識がない人でもわかるように、なるべくかみ砕いて説明したいと思います。

※あまり堅苦しくならないように、意図的に多少簡易的な表現にしている部分があります。

原価法

原価法とは、簡単に説明すると現時点で同じ物件を立て直す場合、どれくらいの費用が掛かるのかを現在の材料費や労働費などに換算しなおして算出する価格のことです。

もっと解りやすくするためにクルマを例に話をしてみましょう。
10年落ちの中古車を査定してもらう場合、同じクルマの部品を解体工などから探してきて組み立てた場合、どれくらいの費用が掛かるのかと言うことです。

当然、中古部品ばかりを使用しますので新車よりも安く作ることができます。そのときに掛かった費用が原価法の査定価格だと思ってください。

収益還元法

収益還元法とは、該当物件を賃貸として貸し出した場合など投資用物件としての価値を算出するために用いられる査定方法だと思ってください。

これも解りやすくクルマに例えてみたいと思います。
収益還元法はレンタカー業に近い考えですね。10年落ちのクルマを買い取ってレンタカーや修理工場の代車として貸し出しても数年で寿命が来るけど、3年落ちのクルマならレンタカーなどでも十分に元が取れるくらい稼げるという考え方です。

取引事例比較法

取引事例法とは、過去に取引があった類似物件から査定価格を割り出す方法です。

同じマンションの物件が過去に売りに出された時、いくらで売却されていたのか?
徒歩5分圏内で同じ築年数くらい、同じような間取りのマンションがいくらで取引されたのかを参考にします。

これはわざわざクルマに置き換えなくても解りやすいと思いますが、一応クルマで説明すると、同じ車種で年式や走行距離などが同じくらいの中古車がいくらで売買されているのかを参考に価格を決める方法です。


この3つがマンションの査定価格を出す際に用いられる計算方法です。

査定を依頼する不動産業者によって、どの方法で査定を出すのか違いはありますが、マンションを売却する場合だと一般的に使用されているのは「取引事例比較法」が多いです。

以前不動産会社に勤めていた私の経験からいうと、全体の8割以上の不動産業者は、この「取引事例比較法」で査定金額を算出していると思います。

取引比較事例法の注意点

取引事例比較法は、査定時間も早くすみますし、素人にもわかりやすい査定方法なのでよく使われますが、注意しておかなければならない点もあります。

取引比較事例法の主な注意点は以下の通りです。

過去の取引事例が極端に少ないケース

参考にしたい過去の取引事例が極端に少ない場合は注意が必要です。
取引事例比較法は、参考に出来る事例が多くなればなるほど信頼ができる方法です。そのため、参考にできる過去の取引事例数が少ないと正確な査定価格がでません。

最新の取引事例から数年が経過しているケース

不動産というものは価格変動が非常に激しい商品です。わずか2年〜3年前の相場とは全然変わってしまっていることも珍しくありません。
参考にしたい取引事例が2年や3年前のケースだと、不動産価値がかなりズレている可能性がありますので、あまり信憑性が高くありません。

参考物件が売り急いでいたケース

同じマンションで1年前に売却された物件が3000万円だったのに、わずか1ヶ月前に売買されたマンションは2500万円だったとします。
これは単純に価値が下落しているのか?それとも売主が売り急いでいたのか不明確です。

このケースの場合、1年前の事例があるから不審に思うことができますが、もし1年前の事例がなければ、1ヶ月前の事例を参考にしてしまう恐れがあります。

より正確な査定価格を知りたい場合は「訪問査定」が必要

査定の方法については、上記で説明したように3種類があるのですが、査定内容にも以下のような方法があります。

机上査定

机上査定とは、査定を依頼した業者が、過去の取引事例比較法などを用いて、現地を水におおよその査定価格を算出する方法です。地域や築年数、間取りなどを参考に、アバウトな価格を出す方法となります。

実際に物件を見ずに査定するので、すぐに金額がわかるのが長所ですが、正確性には欠けるので注意が必要です。

訪問査定

訪問査定とは、査定を依頼した業者の営業マンが実際に現地を訪れ、物件の状況はもちろん、眺望や周辺の環境など総合的な観点から査定する方法です。

当然ですが、現地を訪れない机上査定よりも正確な査定価格を算出してくれますし、どうしてこのような査定金額になったのかという明確な理由も聞くことができます。

自分のマンションの価値を大まかに知りたいというのであれば、机上査定でも十分だと思いますが、1年以内を目処に売却の計画があるのであれば、迷わず訪問査定を依頼することをおすすめします。

査定価格はあくまでも「目安」であることに注意!

ここまで査定方法について説明してきましたが、査定価格はあくまでも「目安となる価格」であることを覚えておきましょう。
「査定価格=売れる金額」ではなく、「査定価格=売れるであろう金額」なのです。

たとえ不動産業者が算出した査定価格に間違いがなくても、必ずその価格で売れるわけではありませんし、実際の売却価格には時期なども関係しています。
例えば転勤などが多い3月や4月は、売り出し物件の数も増えますので、価格競争が激化し多少なりと割安でないと売れない可能性があります。

また、同じ時期に同じマンションの部屋が売りに出されているの場合は、売却が不利になることがあります。もし、その部屋が転勤などで売り急いでいる物件であれば、割安な価格で販売している可能性があるため、どうしても安い方の部屋と比較されてしまうからです。

実際の売却金額は、自分の部屋の状態だけではなく、周囲の相場との相対的な金額で決まるという点を覚えておきましょう。

意図的に査定価格を高く提示する業者に注意しよう

不動産業界に詳しくない人がきくと驚くかもしれませんが、実際の査定価格2500万円のマンションを、3000万円と査定する業者が実はたくさんいます。
なぜこのように意図的に高い査定額を出すのかというと、自社でマンションの媒介契約をしてもらいたいという裏があるからです。

やはり売主の心情としては、少しでも高い査定をしてくれる業者に好印象を持ちますよね。そのため、2500万円よりも3000万円の査定をしてくれた業者と、媒介契約を結ぶ可能性が高くなります。

でも、このような業者には注意が必要です。

相場2500万円のマンションが、3000万円で売れるケースは極めて稀です。
ほとんどのケースでは買い手がつかず、結局「このままでは売れませんので、値下げをしましょう」、という提案を受け入れることになります。

最初から妥当な金額で査定してくれたのであれば、値下げも仕方ないと割り切れるかもしれませんが、意図的に高い金額を提示してくるような悪徳業者は、そもそもまともな販売活動などしてくれません。
なぜなら、そんなに高い金額では売れないとわかっているからです。

このような業者は、口では販売活動をしていると言いつつも、実際には何もせずに、ただ時間が過ぎるのを待ちます。そして1ヶ月程度経過したくらいで、「今のままでは売れないので、値段を下げましょう」と提案してきます。
もしこのような業者に捕まってしまったら、貴重な時間を無駄にしてしまうので気をつけて下さい。

高い査定価格を出してくれたからといって、その業者に飛びつくのはリスクがあります。査定金額を調べる際は、一社だけに頼むのではなく、なるべく複数の業者から査定額を聞くようにしましょう。

そしてもし他の業者よりも、明らかに高い査定価格を出した業者がいたら、その査定価格になった理由を必ず説明してもらうようにしましょう。
そこでちゃんと納得のいく理由を説明してくれるのであれば、高い査定価格の業者と契約をしても問題はありません。

最終的に売却価格を決めるのは自分

先ほども説明しましたが、査定価格はあくまでも「売れるであろう目安の価格」です。
査定価格のまま販売開始するのも良いですし、査定価格よりも高い金額や、低い金額で販売開始することもできます。

これは売り手であるあなたの自由です。

少しでも早く売却したいのであれば、査定価格よりも少し低い金額で販売開始するのも良いでしょう。逆に売り急いでいないのであれば、査定価格よりもちょっと高めの金額で販売開始して、様子をみることもできます。

実際の販売価格については、媒介契約をした不動産業者が色々とアドバイスをしてくれると思いますが、最終的な売却価格を決めるのは、業者ではでなくあなた自身です。
例えば、査定価格が2500万円だったとしても、住宅ローンの残債務が2800万円残っているのであれば、売却価格を2800万円に設定するという判断もありでしょう。

相場よりも高い分、もちろん売れる可能性は低くなりますが、だからといって絶対に売れないというわけではありません。良い巡り合わせがあれば、相場よりも高い金額で売れることは十分に考えられます。

値下げをするときも自分の意志を大切に

これは、値下げをするときもまったく同じことが言えます。
業者が値下げを提案してきたからといって、必ずしもそのタイミングで値下げをしなければならない訳ではありません。

なぜこのタイミングで値下げが必要なのか?
その理由を細かく尋ねてみて、納得できるかどうかを焦らずに考えてみましょう。

不動産業者はあくまでもアドバイザーなので、最終的な決断を下すのは自分自身。
このことを忘れずに、査定価格についてもう一度考えてみてください。


※このページでは「査定価格の算出方法」について説明しましたが、次の記事では「推奨したい価格設定方法」や、「値下げのタイミング」などについて、より具体的に説明したいと思います。

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