マンションから一戸建てへ買い替えるメリット、注意点

マンションから一戸建てへ買い替えるメリットは?注意点まとめ

マンションから一戸建てに買い替えるメリットと注意点を解説します。

買い替えるメリットとして管理費や修繕費をあげる人が多いですが、一戸建ての場合はリフォーム費用を計画的に貯金しておく必要があるので注意してください。

今のマンションを売却する際は、安く売らないように注意が必要です。高く売るためのポイントも解説するので、ぜひチェックしてください。

一戸建てへ買い替えるメリット

一戸建てのメリットといえば、「自分だけのこだわりの家」ではないでしょうか。その他にも、

  • 管理費や修繕費がかからなくなる
  • 家が広くなる
  • 子どもの住環境が充実する
  • ペットが飼える
  • ガーデニングができる
  • 両隣や上下階を気にする必要がない

などのメリットがあります。次の項目では、これらのメリットを詳しく解説していきたいと思います。

管理費や修繕費がかからなくなる

一戸建てはマンションよりも物件価格は高いですが、管理費や修繕積立金、駐車場代など毎月の経費を払う必要がなくなります。マンションの場合は以下の維持費が毎月かかります。

  • 管理費:平均15,000円~18,000円
  • 修繕積立金:平均8,000円~12,000円(築年数と共に金額が上昇する)
    5,000円スタートの場合、20年後には25,000円になる可能性もある
  • 駐車場代:5,000円~20,000円(エリアによって違いあり。)
  • 駐輪場代:100円~1,000円

上記のように、マンションの場合は管理組合が会議などで修繕の話し合いをして、計画的に毎月修繕積立金を回収しながら数年ごとに修繕を行っていきます。

そのため毎月払うマンションの維持費自体は高いですが、逆に自分で修繕にかかるお金を貯めておく必要はありません。

マンションによっては築年数ごとに修繕積立金が高くなる傾向もありますが、毎月絶対に払わなければいけないので、将来的にかかる修繕費用の心配が不要なのがマンションのメリットです。

一方の一戸建ては毎月の維持費自体は安くなるので、マンションよりお得に感じるかもしれませんが、その分自分で将来のリフォームの費用を計算して貯めておく必要があります。

以下は、木造一戸建てに30年住む場合の修繕費用の目安です。

項目 期間 費用 回数 合計
畳交換 3~5年 6万円 6回 36万円
シロアリ対策 5年 20万円 6回 120万円
壁紙(クロス) 5~8年 30万円 5回 150万円
外壁塗装 10~15年 60万円 2回 120万円
給湯器・ボイラー 10~15年 20万円 2回 40万円
屋根修繕 15~20年 100万円 2回 200万円
トイレ 15~20年 40万円 1回 40万円
キッチン 20~30年 100万円 1回 100万円

一戸建ての場合、30年間にかかるおおよその修繕費用は約800万円となります。かなり大きな金額だと思う人も多いのではないでしょうか。

しかしマンションの管理費や修繕費を同じく30年で計算してみてください。

管理費15,000円、修繕積立金12,000円、駐車場7,000円として考えた場合、毎月の支払いが34,000円で30年(360ヶ月)で計算すると合計額は1,200万円を超えてきます。

家が広くなり住みやすくなる

家の面積が広くなるということは、間取りの自由度も高くなるります。広くて便利な玄関や、天井の高い開放感のあるリビング、広々とした使いやすいキッチンなど、ゆったりとしたこだわりの空間が実現できることになります。

また、最初から間取りが決められているマンションとは違い、趣味の部屋や仕事の部屋などを作ることもできます。子供の成長に合わせて、1つの子供部屋を2つに分けられるのも戸建て住宅の便利な使い方です。

それと、高齢となった親と同居できるのも戸建てメリットでもあります。

マンション住まいだと、自分が同居することで子供たちの部屋が減ってしまうと考えるのか、親は気をつかって同居してくれない傾向にあります。その点、戸建て住宅だと両親の部屋を用意できるので、マンションに比べ同居しやすくなります。

子どもの住環境が充実する

同じ立地でマンションと一戸建ての価格を比較した場合、戸建ての方が物件価格が高くなります。そのため、同じ予算内で物件を探した場合、マンションの方が立地条件がよく、戸建てだと少し離れた地域で物件が見つける必要があります。

多少不便でも自然豊かな環境で子育てや生活をしたいと思う人が多く、都会では味わえないような経験をすることができます。

最近では、大型ショッピングモールやアウトレットモールなど、お買い物に便利なスポットも都会から少し離れたところに増えているので、都会じゃないと不便だということは少なくなっています。

そうしたことも戸建て住宅への買い替えを検討している人の後押しになっているのもしれません。

ペットが飼える

一戸建てではモラルさえ守れば、好きなペットを自由に何匹でも飼うことができます。

最近ではペットを飼えるマンションも少しずつ増えてはいますが、近隣住民への配慮や床のキズなども気を使わなければいけなかったり、マンションによっては事前にペットの申告をしなければいけない場合もあります。

また、ペットの飼育ができたとしても、ペットの種類や「1匹まで」など、いろいろと制限があるのが一般的です。

実際、幼少期住んでいたマンションもハムスターなどの小動物はOKでしたが、鳥やウサギなどはNGでした。もちろん犬や猫もダメだったので、ペットを飼いたいと思ったときに「飼いたいのに飼えない」という悲しい経験をしたのを今でも覚えています。

ガーデニングができる

「お庭がある生活」に憧れて、マンションから戸建てに住み替える人も多いのではないでしょうか。お花が好きな人はガーデニングが思う存分楽しめます。

家庭菜園に憧れていた人も、採れたての新鮮野菜で料理を作って、家族や友人に食べさせてあげることもできます。

自宅の外でバーベキューをすることもできます。また、子どもがいる場合、公園などに行かなくても安全に敷地内で遊ばせることができるのもいいですね。

お庭があるだけで生活環境が変わり、今までできなかったことができるようになるのが、一戸建てに住み替える魅力のひとつではないでしょうか。

両隣や上下階を気にする必要がない

一戸建てであれば仕事の帰宅が遅くても小さな子どもがいても、両隣や上下階を気にして生活する必要はありません。

夫婦共働きの世帯だと「今からでも大丈夫かな…」と遠慮していた夜遅くの洗濯も、誰に気を使うこともなく自分のタイミングですることができます。

経験上マンションだと、深夜などの静まりかえった時間の場合、大きな笑い声や、お風呂などで椅子が響く音などの何気ない生活音ですら聞こえてくる場合があります。

そういったことも我慢することなく生活できるので、ストレスが軽減され余裕をもって日々過ごせます。マンションに住んだことがある人なら分かると思いますが、隣近所の騒音は相当なストレスになります。

これが無くなるというのは、マンションから戸建てへと買い替える大きなメリットだと思います。

一戸建てに買い替える際のポイント

マンション査定

一戸建てに買い替える際、まず最初に、現在のマンションの査定を依頼しましょう。

買い替えを検討するときには、まずは自分のマンションがどれくらいの価格で売却できるのかを知っておく必要があります。おおよその売却金額を知ることができれば、次の住まいとなる一戸建ての予算も組むことができます。

マンションをできるだけ高く売却する

物件の売却の査定をお願いするときには、必ず複数の不動産業者に査定してもらいましょう。

業者によって査定額は異なり、担当する人の知識などからも少しずつ異なります。実際の例として業者によって、差が数百万円以上になることもあるので注意してください。

売却価格で損しないためには、複数の業者に査定してもらうことが重要です。

比較することで正確な物件の査定額を知ることができ、少しでも高く売却することにも繋がります。つまり、複数の業者に査定を依頼することで、本当にその業者が安心して任せられるかどうかを判断することができるのです。

マンションを高く売るための業者選びのポイントは「マンション売却の達人」の以下の記事で詳しく解説しています。まだ、チェックしていない人は、ぜひ参考にしてください。

住宅ローン残債がある場合の買い換えについて

マンションから一戸建てへの買い替えを行う際、一番忘れてはいけない住宅ローンの問題があります。買い替えできるかどうかは、マンションのローン残債も大きく関わってきます。

完済できる人

住宅ローンを完済している、または住宅ローンの残債を現在のマンションの売却金額や貯蓄で全て完済できる場合は、買い替えの際、特に何の問題もありません。しかし、マンション売却時にかかる費用や一戸建てを購入する際にかかる手数料があるので注意しましょう。

最もかかる費用のひとつが、不動産業者に支払う「仲介手数料」です。例えば、3,000万円以上のマンションを売却した場合、業者に支払う仲介手数料だけでも100万円を超えてきます。

また、そのほかに印紙代、登記代などがかかり、新築一戸建て購入の場合は、住む前に水道負担金(地域によって異なる)などもかかるので注意しましょう。

完済できない人

では住宅ローンを完済できない人はどうすればいいのでしょうか?実際、住宅ローンが残っていてもマンションを売却し、買い替えることはできます。しかし、その際に残っている住宅ローンを一括で返済しなければいけません。返済方法の代表的な例としては、

  • 手持ちの現金で住宅ローンを返済する
  • マンションの売却金額を残りの住宅ローンの返済にあてる
  • マンションの売却金額を住宅ローンの返済にあて、さらに手持ちの現金で不足分の返済にあてる

完済する方法として、上記の3つの方法が考えられますが、手持ちの現金や売却金額を住宅ローンの返済に当てても、マンションのローンが完済できない場合も考えられます。しかし、ローンを完済しなければ、マンションを売却することはできません。

その場合は「買い替えローン」を利用する方法があります。

買い替えローンとは、現在返済中の住宅ローンをこれから住み替えで新しく購入する住宅ローンに丸々上乗せしてしまうという方法です。大変便利な方法ですが、住宅ローンを上乗せする分ローンの借入額も大きくなってしまうため、ローンの審査が厳しくなることもあります。

こうしたことから、買い替えローンを検討する際には、十分考えた上で申し込むことをおすすめします。

新居の購入には買い替え特約を付ける

「買い替え特約」とは、「物件の契約はするけど、もしも現在住んでいるマンションが売れなかった場合は買いません」というものです。多くの場合、新たな家を住み替えで購入するときには、マンションを売却する前に次の物件を探し、購入の契約をします。

そのときに、この「買い替え特約」という条件を付けるのです。

契約の際、この買い替え特約を付けておけば、万が一マンションが売れなかった場合に、購入契約を違約金を支払うことなく取り消すことができます。特約を上手に使いながら、売却、買い替えを進めていきましょう。

まとめ

売却から、さらに新たな家の購入まで、「買い替えの計画」という言葉だけ聞くととても大変なことだと思われますが、解説したポイントを抑えておけば問題ありません。

もし、買い替えローンを利用する際には、現在の住宅ローンとあわせることで大きな負担になってしまわないよう、しっかりと住宅の予算と毎月の予算を決めてから行動するようにしましょう。

また、買い替えの際の不動産業者選びはとても重要です。

業者を選ぶ際は、一括査定サイトなどを利用して複数の業者を比較し、少しでも早く、高く売却・よりよい買い替えができるよう、まずは信頼できる業者を見つけることから始めてみましょう。

目的別の仲介業者選びまとめ

  • できる限り高く売りたい
  • 急いで売って現金化したい
  • なかなか売れなくて困っている
  • 賃貸にしようか迷っている
  • 買取専門の業者を探している
  • ローン残債があるけど売りたい