引越し業者のスタッフにチップを渡すべきか?

引越しの際は業者のスタッフにチップ(寸志や心付け)を渡すという習慣が日本には古くからあります。
これは引越しは本来家族で行うものであったので、家族以外の手伝ってくれた人へのお礼として渡したり、引越しして新居に移ることはおめでたい事なので、そのおすそ分けとして渡していたのが始まりでした。

でもしっかりと引越し料金を支払わされる現代の日本でも、昔のようにチップを渡す必要があるのでしょうか。
さらに渡すとすればいくらくらい、どのように渡せばいいのでしょうか。
今回はこんな悩ましいチップに関する情報をまとめてました。

チップは必要なのか?

一番の大問題はチップが必要なのか必要でないのかという点。
できるだけ引越し料金を安く抑えたいのに、スタッフ一人一人にチップを支払ってしまうと、結構な額になってしまいます。

チップというものは、あくまで気持ちの問題です。
感謝の気持ちをお金に表しているだけのことなので、必ず支払わなければならないというわけではありません。
引越し料金の中にスタッフの作業費も含まれているのですから、あえてスタッフにお金を渡さなければならないというわけではないのです。
特に難しい作業もないような通常の引越しであれば、無理をして払う必要はありません。

ただ、真夏の猛暑日や、真冬の雪の中、大型の荷物が大量にあるなど、少し特殊な引越し作業を行ってもらった場合は、そのお礼としてチップを渡してあげてもいいでしょう。
チップは必ずしも必要ではありませんが、状況に応じて感謝を表すことは大切です。

チップの金額は?

チップの金額は特に決まっているわけではありません。
あくまで気持ちの問題なので、金額の指定はないのです。
でも100円200円の小銭では、ちょっと格好がつきません。
少なくとも紙幣で渡せるように、1,000円以上は用意するのが常識です。

一般的な相場としては、スタッフ一人につき3,000円から5,000円程度。
もちろんこれはただの相場なので、これより少なくても多くても、特に気にする必要はありません。

またチップとして渡すのではなく、お食事代として渡す方法もあります。
午前便の作業の場合は昼食代として、午後便では飲み物や軽食代として、一人1,000円ずつ渡してあげるというのも一つの手です。
チップとして渡す額が1,000円では少なすぎると気になるようであれば、こういった方法がお勧めです。

その他にも、清算時にお釣りを渡すという方法もあります。
一人一人に手渡しするのが面倒な時や、渡すタイミングがつかめない時は、清算時にお釣りを断って「みんなで分けるように」と渡してしまうのです。
ただしお釣りがあまりにも少ないときは、この方法は使えません。

このようにチップの金額は、特に定められていないというのが事実。
自分の支払える範囲内で、うまく金額を決めていきましょう。

いつ、どこで渡すのか?

ではチップは、いつどこで渡せばいいのでしょうか。
一番の理想は作業前です。作業前に、作業員は必ず挨拶に来ます。
その時に「今日はよろしくお願いします」と、全員に渡してしまうのです。

作業前に渡すことで、スタッフの気持ちは一気に変わります。
感謝の気持ちに応えられるべく頑張ろうという気持ちが強くなるのです。
もちろん、チップはなくても作業員は頑張ってくれるのですが、やはり人間なので多少気持ちは違ってきます。
どうせ渡すなら、作業前に渡して気持ちよく作業をしてもらいましょう。

ただし、渡し方によっては作業後になってしまうこともあります。
例えばお食事代として渡す場合は、先に渡すよりも作業後のほうが自然に渡すことができますし、清算時にお釣りを渡す方法も、作業後になってしまいます。

どうやって渡すのか?

チップを渡すとき、お札を裸のままで手渡すのか、封筒に入れて手渡すのか、どうやって渡せばいいのか迷ってしまう人は多くいます。
でも、実はこれも特に決まっているわけではありません。

お札を裸のままで手渡す人もいれば、お祝い袋やポチ袋を用意して渡す人、さらにはティッシュにくるんで渡す人もいます。
特に方法は定められていないので、そこまでこだわる必要はないようです。

ただ、人にお金を渡す礼儀として、裸で渡すよりは何かに入れて渡してあげるほうがいいかもしれません。
わざわざお祝い袋まで用意する必要はありませんが、家に余っている袋や包み紙などに入れて渡すのがお勧めです。

差し入れでもOK

感謝の気持ちを表すのに、わざわざお金にこだわる必要はありません。
暑い日であれば冷たい飲み物を、寒い日には温かい缶コーヒーを。というい具合に、差し入れをしてあげるだけでも感謝の気持ちは伝わります。

お金は何となく渡す方ももらう方も遠慮してしまいがちですが、差し入れであれば気軽に受け渡しができるので、スマートに感謝の気持ちを伝えることができます。
お金を渡すのは抵抗あるけれど何かお礼をしたいという時は、差し入れという方法を選択してみましょう。