ペットの飼育率が上昇傾向にある現代社会では、およそ3世帯に1世帯はペットを飼育していると言われています。さらに金魚や熱帯魚の飼育を合わせると、飼育率はもっと高くなります。
当然、引越しに際にペットを連れていかなければならないという人も多いでしょう。
実はペットの引越しはとても大変な作業。小型犬や猫のように自家用車で運べる動物ならいいですが、大型犬や特殊な動物、熱帯魚などの移動は細心の注意が必要です。
また長距離の引越し、飛行機を使わなければならない引越しなど、どうしても自分一人では運びきれない場合もあるでしょう。
でも大丈夫です。引越し業者はこのようなペットの引越しにも対応しています。オプション料金はかかってしまいますが、大切なペットを安全に運ぶためにはぜひ利用したいサービスです。
鳥などの小動物の場合
鳥やウサギ、フェレット、猫や小型犬などの小動物の場合、どのくらいのオプション料金がかかってくるのでしょうか。
基本的にこのような小動物は、ケージに入れて簡単に運ぶことができるので、それほど特別な料金がかかってくるわけではありません。
平均的な相場は東京~大阪間で3~4万円程度。小鳥などの小さなペットであれば、もう少し低料金になります。ただし輸送方法によって、料金の差はでてきます。
大型犬や大型の動物の場合
大型犬や豚など、大型の動物を引越しさせる場合、小動物よりも料金は高くなってしまいます。こちらもケージに入れて運搬することができますが、ケージも大きくなりますし場所も取ってしまいます。その分料金が高く設定されているのです。
平均的な相場は東京~大阪間で5~6万円程度。こちらも輸送方法によって料金は変化します。また業者によっては大型動物は対応していない場合もあります。
ペットの輸送方法とは?
ペットを輸送する場合、輸送方法が3パターンあります。「直送便」「航空機併用便」「トラック併用便」の3つです。
輸送方法によって、料金だけでなくペットのストレスなども違ってきます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
直送便の特徴
直送便というのは、ペットを出発地から到着地まで直接運んでくれる方法です。同一スタッフが同一の車で一貫して、自分のペットだけを運んでくれるので、ペットのストレスが少ないのが大きな特徴です。
ただしその分、料金は高くなってしまいます。通常の相場と比較して、2倍くらいの料金相場になります。場合によっては引越し料金と同じくらいのオプション料金がかかってくることも。
航空機併用便の特徴
これは車と飛行機、両方を利用する方法です。長距離でのお引越しの場合は便利な方法となります。
飛行機を使用するため、ペットの輸送に時間がかからないのがメリットですが、航空機の中では他の荷物と混載されてしまうため、ペットのストレスが直送便に比べて高くなってしまいます。
また飛行機の貨物スペースの気温の変化や気圧の変化など、環境の変化が著しいのもデメリットの一つです。
料金は先ほど紹介した一般的な相場と同じくらいになります。直送便に比べて若干ストレスは高くなってしまいますが、その分料金はかかりません。
トラック併用便の特徴
航空機ではなくトラックを使用する方法です。移動に時間もかかりますし、トラックの荷台で運ばれることにより、気温や騒音、揺れなどのストレスがペットにかかってしまいます。
ただその分、料金も安く済むので、安く引越したいという場合には最適です。
料金相場は大型動物でも3~4万円程度。普段から移動に慣れているペットや、ストレスに強いペットであれば利用しやすくなります。
熱帯魚や金魚など水槽がある場合
動物ではなく熱帯魚や金魚など、水が必要なペットの場合は、通常のペット輸送料金とは違ってきます。これは熱帯魚の移動が輸送だけでなく、移動のための準備と引越し先での設置など、細かい設定に分かれているからです。
熱帯魚を移動させる場合、熱帯魚をビニール袋に数匹ごとに分けて梱包し、水槽とは別に運搬します。この作業は慣れている人であれば問題ありませんが、知識のない素人では簡単にはできません。
また引越し先で水槽を元通り戻す作業も同様です。
知識のないまま設置作業を行ってしまうと、しばらくして熱帯魚が死んでしまうという惨事を招いてしまうかもしれません。自信がないのであればできるだけプロに任せるのが最善策です。
移動作業だけでなく、これらの作業を業者に任せるのか、自力で行うのかで料金相場が変わってきます。
梱包から設置まで、すべて任せた場合の料金相場は、90㎝の水槽・30㎞圏内という条件で5万円前後。ここから水槽の大きさや移動距離によって、料金が変化します。
そして梱包や設置を自力で行った場合は、同じ条件で3万円前後です。こちらも水槽の大きさや移動距離で料金が変化します。
植木・盆栽などの場合
ペットではありませんが、植木や盆栽も大切な家族です。引越しの際は細心の注意を払って運んでもらいたいですよね。
実は引越し業者の規定の中でも、植物はペットと同じ分類に入っています。ただペットとは違い、請け負ってくれる業者が少ないのが特徴。植物の引越しは移動の際に枝が折れたり、土がこぼれたりなど、トラブルが多いからです。
植物の引越しを依頼する場合、ほとんどの業者で補償の対象外になっています。万が一トラブルが起こっても弁償はしてもらえないということです。
ただ小型の植木鉢であれば、オプション料金なしで運んでくれる業者も。どうしても業者に任せたいという場合は、こういった点を考慮したうえで依頼するようにしましょう。
大型の植物やデリケートな植物は、植物運搬専門業者に任せるというのも一つの手。引越し業者に依頼するよりも料金は高くなりますが、安心して運んでもらうことができます。
専門業者を紹介してもらう方法も
ペットや植物の引越しはとても大変な作業です。ペットのストレスやケガ、植物が折れてしまったり、植木鉢が破損したりなど、あらゆるトラブルが予測されるからです。
あくまでもペットや植物のことを考えるのであれば、引越し業者に専門業者を紹介してもらうという方法もあります。
引越し作業の合間に、信頼できる専門業者を探すのはとても面倒ですが、引越し業者に紹介してもらえれば探す手間は省けます。
大切な家族だからこそ、できるだけ安心して移動できる手段を選択するようにしましょう。