引越し業者にお願いするよりも、自力で引越しする方が、断然安く済ませられるのでは…?こんな疑問を抱くことはありませんか。
確かに、引越し業者に支払うお金は、数万円から数十万円。これを支払わなくてよいとなると、かなりのコスト削減が期待できますよね。
でも自力での引越しは、実は落とし穴がいっぱい。場合によっては業者よりも高くなる場合もあるんです。
自力引越しをした場合にかかる費用はいくら?
自力引越しの最大のメリットと言えば、とにかく安く済むこと。でもこのメリットって、本当に正解なのでしょうか。
自力引越しをしたからと言って、引越しにかかる費用がゼロになるわけではありませんよね。意外にもこまごまとした費用が、たくさん掛かってきます。
では実際に自力で引越しをした場合にかかる費用には、どのようなものがあるのかをみていきましょう。
引越しは条件によって費用が全く違うので、ここでは一般的な2つのケースを例に挙げてご説明します。
単身での近距離引越し
近距離の単身引越しとなると、さほど荷物量も多くないので、自力でも余裕で引越しできそうですよね。でも自力で簡単にできる引越しは、引越し業者でもかなり安くできてしまいます。
実際にかかる費用を比較してみましょう。自力で引っ越す場合にかかる費用は以下のものがあります。
- トラックのレンタル代金 5,000円前後(軽トラで6時間まで)
- ガソリン代1,000円程度
- エアコンの移設代金15,000円程度
- 梱包資材の代金2,000円程度
- 助っ人への謝礼5,000円(一人当たり)
自力で引っ越した場合の合計金額は、約28,000円になります。
一方で引越し業者に依頼した場合は、どれくらいかかるのでしょうか。ダック引越センターの引越し定額パックを利用した場合で考えてみましょう。
- パック基本料金16,200円
- エアコン移設料金9,800円
- 梱包資材の代金2,000円程度
業者を利用した場合の合計金額は、28,000円になります。自力で引越しする場合と同じ金額ですね。
もちろん、家族が手伝ってくれるので助っ人への謝礼はいらない人や、軽トラックを持っている人など、ケースバイケースで安くなることもありますが、一概に自力で引っ越すことが安いとは言えません。
3人家族(夫婦・子供)の長距離引越し
次に夫婦2人と子供1人という3人家族が東京から名古屋に引っ越すという、長距離引越しについて比較してみます。
まず、自力で引っ越す場合にかかる費用から見ていきましょう。
- トラックのレンタル代金20,000円前後(2tロングトラックで24時間)
- トラック乗り捨て料金20,000円前後
- ガソリン代5,000円程度
- エアコンの移設代金20,000円程度
- 梱包資材の代金10,000円程度
- 助っ人への謝礼30,000円(10,000円×3人)
自力で引っ越す場合の合計金額は、105,000円になります。
長距離になると、エアコンの取り外しと取り付けを別業者に依頼する必要があったり、助っ人への謝礼も多めに支払う必要があります。
一方、業者に依頼した場合の費用はどのくらいでしょうか?
こちらはパック料金のように、ハッキリした料金がわかるわけではないので、大体の予測料金を紹介します。
東京から名古屋間、2tロングトラック使用の場合、10万円から15万円程度が相場となっています。ただし、交渉次第で安くすることも可能。
実際に2つの比較を見て、いかがでしたか。自力での引越しも、業者での引越しも、さほど金額的には変わらないことがわかると思います。
金額は変わらないのに、資材の調達から梱包、搬送、運転、荷卸しなど、自分でやらなければならないことは山ほどありますよね。自分の手間賃などを換算すると、自力での引越しのほうが高くなってしまいます。
自力引越しは安いというメリットは、一概に正しいとは言えませんね。
荷物の破損やケガのリスクがある
自力での引越しも、業者でに引越しも、さほど差はないにしても、場合によっては安く済むことも多くあります。
自宅に軽トラックを保有している場合や、家族が無償で手伝ってくれる場合、家財道具を新しく買いそろえる場合などが、それに当たります。
でも、いくら安くても、自力での引越しには、たくさんのリスクが伴うということを忘れてはいけません。
例えば荷物の破損やケガなどです。引越し経験の無い人や、経験の浅い人が引っ越し作業を行えば、当然業者のように手際よく進むわけがありませんよね。
重い荷物を持ち切れずに落としてしまったり、家具などを落とした際に足をケガしてしまったりなど、トラブルが起こることが十分に予測できます。
万が一、家具や家電を落として破損してしまったとしても、当然補償なんてありませんので、買い替えや修理をする羽目に…。最悪のケースでは、新居の床に傷がついて、新築なのにリフォームなんて事態になるかもしれません。
またケガをしてしまった場合は、治療費がかかってしまうだけでなく、引越し作業が中断してしまう恐れもありますよね。
それによってレンタカーを二度も借りなければいけなかったり、退居日に間に合わなくなってしまったり…。自力での引越しは、とにかくハイリスクです。
引越しを安く済ませようとしたはずなのに、結局高くついてしまうこともあるのです。大型で重い荷物が多い場合には、やっぱりプロに任せることが一番安心ですね。
結論:自力引越しが向く人は?
自力で引越しをすることは、意外にお金もかかるし、リスクも高い。なので自力引越しに向く人はごく限られています。自力引越しに向いているのは、次のような人たちです。
- 実家を出て近隣に1人暮らしを始める人
- 結婚による引越しで、家具家電はすべて新調する人
- 引越し業界出身で、ノウハウを熟知している人
これ以外の人は、自力での引越しよりも業者に依頼する方が、安心で安全な引越しをすることができます。
自力で引越しをしたいと考える理由は、費用を抑えたいからですよね。業者に依頼する場合でも、費用をできるだけ抑えるコツはいくつもあります。
一番のコツは一括見積もりを利用すること。一括見積もりを利用することで、半額にまでコストダウンすることができる場合もあります。
「できるだけ安く」と考えるのであれば、自力よりもまずは一括見積もりを使って業者を比較してみましょう。さらに時間に余裕があるならば、業者を下見に呼んで値切り交渉をするとベストです。