引越し祝いや挨拶状など引越しマナーに関するまとめ

引越し祝いや挨拶状など引越しマナーに関するまとめ

自分が引越しをするとき、また親しい人が引越しをしたときなど、引越しに関するマナーは人生において必要不可欠です。
何も知らずに間違った行動をしてしまえば、後々恥をかいてしまうことも…。

引越しにはあまり知られていない細かいマナーもたくさんあるので、しっかりと常識を身に着けて恥をかかないようにしていきましょう。

引越し祝いを贈る際のマナー

まずは引越し祝いを贈る際のマナーについてです。
引越し祝いは、周りの人が引っ越す際に必ず贈らなければならないというものではありません。
親しい人やお世話になった人に贈るのが基本的なマナー。

また引越し理由の種類によっては、親密な関係ではなくても贈らなくてはならない場合や、逆に親しくても贈るべきではない場合など、細かいルールが定められています。

引越し祝いが必要なケースと不必要なケース

引越し祝いは必要なケースと不必要なケースがあります。
これを知っていないと、お祝いを贈って逆に失礼に当たってしまうので要注意です。

引越し祝いが必要なケース

  • 不動産購入による引越し……普通に引越し祝いを贈る(親密な相手のみ)
  • 新しく家を建てて引越し……新築祝いをメインとして贈る(親密な相手のみ)
  • 進学や就職に伴う引越し……進学祝いや就職祝いをメインとして贈る(親密な相手、親族のみ)
  • 結婚による引越し……………結婚祝いをメインとして贈る(さほど親密でなくても贈るのが礼儀)
  • 出産による引越し……………出産祝いをメインとして贈る(さほど親密でなくても贈るのが礼儀)
  • 転勤による引越し……………栄転の場合は栄転祝いとして贈る(会社の付き合いがあれば贈るのが礼儀)

引越し祝いが不必要なケース

  • 離婚による引越し……………おめでたくないのでお祝いはタブー
  • 家族の訃報に伴う引越し……おめでたくないのでお祝いはタブー
  • 実家に戻るための引越し……新しいことを始めるわけではないのでお祝いはタブー
  • 介護や看病による引越し……おめでたくないのでお祝いはタブー
  • 退職による引越し……………退職祝いを贈る場合もあるが、引越し祝いは不要
  • 入院・介護施設に入所………おめでたくないのでお祝いはタブー

お祝いを贈るときの相場は?

引越し祝いは基本的に相手に気を使わない程度の金額、又は品物を贈ります。
引越し祝いにはお返しやお礼が不要なので、相手がお返しをしなくても良いくらいの金額を贈ります。
一般的な相場は3,000円~5,000円程度。新築祝いの場合は5,000円~1万円くらいに上乗せします。

贈る品物は、もちろん現金でもいいのですが、現金は相手が気を使ってしまうかもしれませんので、相当額の品物を贈ることが多くなります。
どうしても現金を渡したいという場合は、商品券や金券に変えて渡すという方法が効果的です。

昔からよく贈られているのは鉢植えの植物。
「この地に根付くように」という意味が込められるそうで、引越し祝いとして縁起の良いものとされています。
ただしお世話の大変な植物を贈ると逆に迷惑になってしまうので、できるだけ手間のかからない観葉植物を贈るようにしましょう。

また最近ではカタログギフトなども喜ばれます。
カタログギフトであれば自分の好きなものを選ぶことができるので、余計なものを贈ってしまうことも無くなるのです。

引越し祝いで贈ってはいけないもの

引越し祝いで贈ってはいけないものは、「火」に関連する品物。
ストーブやたばこ、ライター、灰皿など、家事を連想させる品物は、避けるのがマナーです。

また火には直接関係ないとしても、火を連想させるカラーの物もタブーとされています。
赤い物や濃いオレンジの物などは、火を連想するカラーになるので、できるだけ避けることがお勧めです。

現代ではこういった禁忌事項はあまり重要視されていませんが、気にする人は気にするので、むやみに贈ってしまわないように気を付けましょう。
ただし、本人の要望がある場合は特に気にする必要はありません。

挨拶状に関するマナー

引越しを無事に終えて荷物も片付いたところで、次にしなければならないことは、引越しの挨拶状を出すことです。
親しい人をはじめ、お付き合いのあるすべての人に対し、引越しをした旨を伝えなければなりません。
親しい親しくないを問わず、関係のある人すべてに出す必要があるので、とても大変ですが忘れないようにしましょう。

挨拶状を出すタイミング

挨拶状を出すタイミングは、早ければ早いに越したことはありません。
ただ引越しの片付けでバタバタと忙しいのも事実なので、慌てて出さなければならないというわけでもないのです。

一番理想的なのは引越し後1か月以内に送ること。
引越しをしてからあまり時間が経ってしまうと、逆に失礼に当たってしまう場合もあるので、少なくとも2か月以内には送るようにしましょう。

挨拶状の注意点

引越しの挨拶状で最も重要なのは、引越しをしたという事実が伝わらなければならない点です。
ハガキにごちゃごちゃと世間話を盛り込んでしまえば、引越しをしたという事実が伝わりにくくなってしまうので、必ず挨拶状は引越しの事実のみを記すというのがマナーです。
その他にも伝えたいことがある場合は、別の手紙に記して送るようにしましょう。

また挨拶状は友人や親戚はもちろんのこと、目上の相手やお世話になった人など、幅広く贈らなければなりません。
そこで注意したいのが、親しい相手と目上の相手で挨拶文を変えることです。

親しい相手であれば、文体や絵柄などを特に気にすることはありません。
ただ「引っ越した」という事実と「新しい住所」が伝わりやすいように書きます。

目上の相手の場合は、挨拶文に頭語や季節の挨拶などを盛り込み、さらには相手を気遣う文面や今後のご指導をお願いする文面を添えて、引越しをした旨を丁寧に伝えましょう。
絵柄に関しては派手すぎず、季節や土地柄に合わせたものを選びます。

挨拶状を何種類も作成するのは手間ではありますが、より良い人間関係を築くために、マナーを重んじるようにしましょう。

ご近所へ挨拶へ行く際のマナー

引越しに伴い、ご近所へ挨拶へ行くのも忘れてはいけません。
今まで住んでいた家のご近所へお礼の挨拶はもちろん、新しく引っ越す先でこれからお世話になるための挨拶まで、引越しに挨拶は付き物です。

挨拶をするタイミングは?

引越しの挨拶をするタイミングは、旧居・新居共に引越し前が望ましいと言われています。
もちろん旧居の場合は引っ越してしまったら挨拶ができないので、引越し前に済ませるのは当たり前ですが、新居に関しても引越し前に済ませるのは、どうしてなのでしょうか。

それは引越し当日から迷惑をかけてしまうから。
引越しのトラックが家の前に停車したり、荷物の出し入れなどでドタバタしたり、作業の際の声がうるさかったり…
引越し当日はご近所に迷惑をかけてしまいがち。なので、できるだけ引越し前に挨拶をしておくと好印象なのです。

わざわざ挨拶だけのために引越し先に出向く必要はありませんが、引越し前の下見や掃除などのついでに挨拶も済ませておくと効果的です。
また引越し前にはどうしても伺えないのであれば、引越し当日、引越し作業前に挨拶周りに行く方法もあります。

挨拶に持っていく品物

引越しの挨拶の際、まさか手ぶらで挨拶に行くわけにもいきません。
そこでちょっとした手土産として、何か品物を持参していきましょう。

手土産はそれほど豪華なものでなくてもいいのですが、きちんと箱に入って贈り物仕様になっていることが条件です。
金額的には500円~1,000円程度の物で良いのですが、一目で贈り物だとわかるものにしましょう。

手土産で重宝されるものは、「消耗品」や「お菓子」「飲料」などです。
最近では引越しの挨拶用に、洗剤やタオルのプチギフトなども販売されていますので、うまく活用してみましょう。

どこまでがご近所さんなのか

引越しの挨拶の時に困ってしまうのが、どこまで挨拶に行けばよいのかということです。
どこからどこまでがご近所さんになるのでしょうか。

一般的には「向こう三軒両隣」がマナーとなっています。
つまり、自宅から見て向かいの3軒と両隣の、合計5軒に挨拶に行くということです。

ただし向かいがうまく3軒だけに区切れなかったり、隣だけでなく裏も迷惑がかかりそうなど、当てはまらない場合は臨機応変に対応するようにしましょう。

またマンションの場合は、「上下左右」を基本として挨拶をします。
特に階下の人には足音などで迷惑がかかりがちなので、小さな子供がいる家庭ではしっかりと挨拶をしておくことが大切です。

引越しの挨拶が不要なケース

最近では引越しの挨拶が不要と言われるケースがあります。
それは女性の一人暮らしです。

女性の一人暮らしは、ただでさえ危険と隣り合わせ。
引越しの挨拶と言えども、近隣に一人暮らしを宣伝して回ることは得策とは言えません。
一人暮らしであれば近隣にさほど迷惑をかけるものではないので、あえて挨拶に回る必要はないと古くからの習慣が見直されています。

ただし近所付き合いは防犯にも役立つのは事実なので、信頼できそうな所にはできるだけ挨拶へ出向いて良い関係を築いていきましょう。